日誌

香取中日誌

全校理科『環境学習』

 6月23日(月)新しい週の始まり。6月もあと1週間あまりになりました。みなさんお元気ですか。

 香取中では今年度、確かな学力を身に付け、学びの成果を実感できる学校づくりを進めています。その取組の一環として今日の3,4時間目に全校理科を実施しました。お客様に国土交通省関東地方整備局利根川下流河川事務所流域治水課、河川財団、野鳥・魚類環境保全のエキスパートのみなさまをお迎えして利根川流域の環境について学びました。生徒のみなさんは今日の全校理科の復習になりますので、このホームページで今日の学びの振り返りをしてみてください。(ちょっと長文です)

 はじめに利根川下流河川事務所の技官の方から「利根川流域部における自然再生について」お話いただきました。私たちが住む香取市の利根川下流には国内最大級のヨシ原が広がっていること、その大きさはなんと体育館約2600個分。野鳥生息地として全国的にも有名であり、全国でも香取市と青森県しか生息しないオオセッカがいたりコジュリンが棲みかにしていること。さまざまな生き物や植物が暮らしやすい環境を作るため、高水敷の掘削(乾燥化したヨシ原を掘削することで湿地帯を再生したり多様な深さの池(ワンド)を作ったりすること自然再生を行っていることなど説明を受けました。

 続いて利根川の河川敷について河川財団の方からの説明。香取市には広大なヨシ原があり、そのヨシとはイネ科の多年草で成長すると3m以上の大きさにもなること、利根川のヨシ原は二段構造になっており、カサスゲという植物が混ざっていることが特徴だそうです。このカサスゲで作った帽子は涼しく快適そうです。そしてこのヨシ原を維持するには草刈りやゴミ拾い、ヨシ焼きなどが欠かせないことを知りました。このヨシ焼きをするメリットとしてオオセッカやコジュリンの生息環境を改善できること、ヨシ原やかや場環境の改善に保全につながることを知りました。

 3つめの講座は利根川下流の「さかな」と人との関わりについて学びました。約1000年前の大昔、利根川流域は海でした。海水と淡水が行き来し、魚類の宝庫となっており、香取の海と呼ばれていました。すでにこの当時からこの地域は「香取」と呼ばれていたそうです。生徒のみなさんには以前、香取神宮の後ろには海が広がり、その安全な航海を祈り、この地を「舵取り(かじとり)」から転じて「香取(かとり)」と呼ばれるようになったことをお話ししているところです。そして本校が建つ津宮は「津」がつくところからもわかるように漁師町であり、そのことが14世紀の書物「海夫注文」にも紹介され、香取神宮は77カ所の津(漁師町)を従えていたようです。それだけこの地は魚が豊富であり、江戸時代の医師赤松宗旦が書き記した「利根川國志」にはサケが捕れていたことが絵入りで示されています。そんな利根川下流の漁業も利根川河口堰の建設や外来生物の侵入によりその漁獲量も激変。環境変化により魚類の生態も変化してきたことを知りました。利根川河口堰の魚道の改良や水辺の生き物が住みやすいワンド(川と接続した池状の地形)を造成することで魚類の生息環境が改善されていることを学びました。

 最後の講座は野鳥の生息地としての利根川について。水郷利根川は野鳥の宝庫!それは穏やかな広い水面があること、広いヨシ原があること、安全に隠れることができるワンドなどがあること、そしてエサとなる魚などが多いことが理由。広大なヨシ原にはオオセッカ、コジュリンだけではなく、チュウヒやサンカノゴイ、シマクイナが暮らしてること、また利根川に定着した新しい住人としてコウノトリも住んでいることを知りました。

 これらの講座を聴いた後、7月7日午後からは香取市小見川地区のヨシ原へフィールドワークに全校で出かけます。そのため野鳥観察で使用する単眼鏡をみんなで実際に組み立て使ってみました。中庭をはさんだ3年教室等の廊下に、さまざまな野鳥の写真を掲示。グループ毎に単眼鏡のピントを合わせ野鳥を探しました。生徒のみなさん、しっかりその姿を捉えることはできたでしょうか。7月7日は暑さが心配されます。本校の校歌1番の歌詞にも登場する「利根流域」そのヨシ原での自然観察、楽しみですね!

校庭の植栽

 6月22日(日)夏至の日、みなさんお元気ですか。北半球では1年のうちで最もお昼の時間が長い日。1年の折り返し地点ですね。英語ではこの時期をmidsummerと呼びます。この時期に繰り広げられる劇を作ったのがイギリスの劇作家シェイクスピア。タイトルは「A Midsummer Night's Dream (夏の夜の夢)」この劇に音楽を付けたのがメンデルスゾーン。その曲たちの中でもっとも有名なのは「結婚行進曲」。きっと一度は聞いたことがある曲だと思います。一方、学区の神宮では夏越の大祓(なごしのおおはらえ)が今月末に行われます。1年の折り返し地点で改めて無病息災を願う行事。梅雨時期なのに真夏の暑さが続く毎日。みなさん、体調を崩さないようにしてくださいね。

 さて、本校では全校生徒数が減少し、校庭の環境整備がなかなか進まないところです。草木の成長著しいこの時期、きれいな教育環境を保つのは難しいのですが、校庭の樹木や植栽した花々を見ていると元気が湧いてきます。線路側のフェンス沿いには昨年度3年生だった生徒の皆さんが植えた菊が元気に背を伸ばしています。また、ボランティアで生徒さんが植えてくれたヒャクニチソウも早々に花をつけています。これから秋に向けて、ヒャクニチソウと菊の花が本校を訪れる方々の目を楽しませてくれると思います。「花が咲けば実がなる、そしてタネができる。」グラウンド脇の梅の木はたくさんの実が熟し、目を下に向ければ、地面に熟しきった実をみつけることができます。ピロティー前の庭のヤマボウシもたくさんの実をつけています。駐車場側の緑のフェンス沿いにはグラジオラスが葉を伸ばし、花が咲きだしています。植栽して3年目の夏。今年も色とりどりの花を見ることができます。また、各学年の昇降口にはプランターにニチニチソウとジニアを植えました。夏に強い花です。生徒のみなさんはもちろん、来校される保護者の方や地域の方にも楽しんでくれたらと思います。

 本校ではいつでも学校支援ボランティアを募集しております。校庭の環境整備にご協力いただき、花いっぱい活動に参加してみたい方はぜひ、本校へご連絡ください。「花が咲けば実がなり、タネができる。」みんなでつくったタネを大切にいろいろな花を香取中で咲かせられたらと思います! 



かとらぼノート 振り返り

 6月20日(金)正門から昇降口に向かう回廊を写真で撮るとまるで1枚の絵画。ふだん何気なく見過ごしてしまう風景かもしれませんが、カメラを向けると普段とは違う視点をもてたり、素敵な風景に気づかされるたりします。本校の校舎のつくりは唯一無二の景観です。中庭にはネムノキがピンクの花を咲かせています。夏が近づいていることを感じさせます。昇降口を入れば生徒会本部役員のみなさんがあいさつ運動を行っています。

 さて、毎週金曜日の朝読書はかとらぼプロジェクト。今回は5月からスタートした「かとらぼノート視写」について、その取組を各自で振り返りました。国語数学理科社会と5教科実施してみて、教科書を書き写す文字数が増えたことについて記述する生徒もいれば、教科によって書く速さに違いが出るのはなぜか疑問に思う生徒もいたり。また、筆記用具の芯の太さや濃さについて友達に確認したり、教科書を置く場所を当初と変えて見やすい左に置いたことで視写のスピードがあがったことに気づいたり。また視写する際に頭にどのくらい記憶させているか人によって違うことにも気づいたりと、5回積み重ねたことで見えてきたことがたくさんあったようです。これらの自身の気づきをかとらぼノートの振り返り欄に記入したあと、学校が用意したアンケートに答え、5月からの自分自身の変容を改めて確認しました。来週からは教科の特性、たとえばその教科独特の言い回しや表現、定義(日常使われる表現とは異なる学習言語)などが多く出てくる数学・理科・社会に絞って、視写(教科書の書き写し)の2サイクル目を新たな取組を加えてスタートする予定です。私たちはひとつの取組をとおしても5つのチャチャチャ(Change, Chance, Charge, Challenge, Chase)をベースに日々アップデートしていきたいと考えます。

 4時間目の3年生は道徳。教育実習の先生による道徳の授業。祖母の行動に対して理解できない主人公。ある日祖母が書き記している1冊のノートを主人公が読んだことで、今までとはちがった祖母への思いが芽生え、理解が深まり、その関係性に変化が起こった主人公。授業では家族とは何かを一人一人が考える時間となりました。

 そしてお昼。今日の給食は「世界を味わおう献立『韓国』」チヂミにサムゲタン、チャプチェにごはん、牛乳。デザートは一口リンゴゼリーでした。チヂミは米粉生地ににらや玉ねぎ、豆腐などの具材を入れて焼いた韓国料理。サムゲタン(参鶏湯)は丸鶏の中に高麗人参やもち米をつめて煮込んだスープです。韓国では夏に食べるスタミナ料理を、今回は給食用にアレンジしています。チャプチェは春雨を使った韓国の代表的な家庭料理。仕上げにラー油を入れてアクセントをつけています。今日もおいしくいただきました。

 

 

香取学習2 雅楽

 6月19日(木)香取学習2、雅楽コースは全校でも類のないコースです。20年あまり前の開校当時に香取神宮他有志のみなさまからご寄贈いただいた「龍笛(りゅうてき)」「篳篥(ひちりき)」「笙(しょう)」が学校備品としてあります。その楽器を携えて今回は教育バスに乗り込み、一路香取神宮へ。これから10数回にわたって香取神宮に行き、直接神官の方からご指導をいただくことになります。神宮は紅葉の青葉がすがすがしい季節。あやめも飾られていました。6月30日に行われる夏越の大祓(なごしのおおはらえ)に向けて本殿の前には茅の輪がおかれていました。

 生徒は社務所内で3名の講師の先生から雅楽についてお話しをお聞きし、自己紹介を交えてこのコースでの心構え・抱負を発表。講師の先生方による『越天楽』の模範演奏。その後、3管(龍笛、篳篥、笙)それぞれ分かれて講師の先生からご指導をいただきました。2000年以上前にアジアで発祥し、古代中国や朝鮮で発展し、飛鳥時代に日本に伝わり、その姿をほとんど変えずに今日に至っているこれらの楽器。笙は天から差し込む光、篳篥は人の声、地上の音。この2つの楽器で天と地を表現。そして龍笛は天と地を間を行き交う龍の声。この3管で「世界」を表現しています。これらの貴重な楽器を10数回にわたって2時間ずつ直接神官の方からご指導いただけることに感謝申し上げるとともに、この伝統芸能を学区の生徒達がしっかり引き継いで行く機会を大切にしたいと考えます。

香取学習2 食と健康

6月19日(木)香取学習2、食と健康コースは「体験」と「探究」の2つを合わせたユニークなコース。私たちの身体は私たちが食べたものでできています。このコースでは切っても切り離せない「食」と「健康」を毎年テーマを決めて探究しています。今回はその一つ「健康」。一日のサイクルのスタートは朝食。そこで栄養教諭の先生を講師に、気軽にできる卵をつかった朝食についてデモンストレーション、実食をしながら考えました。わずか3分でできる身体にうれしい朝食メニュー。フライパンにマヨネーズを油代わりに使用。そこに卵を割って落とし、牛乳も入れてふわふわ感を演出。栄養バランスを考え野菜を投入。朝の忙しい時間に野菜を切り刻んで入れるのは大変なので冷凍のミックスベジタブルで時間短縮。カップラーメンで同じ時間でおいしい朝食の一品が完成。好みでケチャップをつけてもOK。このほかにも電子レンジを使ったオムレツメニューも紹介いただきました。1ヶ月後には夏休み。自分自身で栄養バランスを考えた朝食を作れるようにという願いをこめた今回の授業。食と健康コースは生徒の生きる力を育む時間でもあります。