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2024年7月の記事一覧

3年生 対面型アート鑑賞ワークショップ実施

 7月18日(木)香取中では木曜日はアートデー。どの学年も美術や音楽があり、午後からは地域とつながった体験学習・探求学習を行う「香取学習2」の日。そんなアートな日に3年生を対象に美術の時間を2時間に拡大した『対面型アート鑑賞ワークショップ』を行いました。

 ワークショップのきっかけは2年前、佐原の古民家カフェ&レストランで香取市在住のアーティストさんが個展をされたのがはじまり。その映像作品に魅せられ、いつかこの方と本校がコラボできたらと思い続けていたところ、この6月に香取市教育委員会生涯学習課が主催した『香取・アート・タイム展』で同じアーティストさんが出品されることを知りました。アーティストトークもあることがわかり、初めてお会いしてお話をすることができました。そして学校にいらっしゃり美術をはじめ授業を見学。本校生徒と何かコラボできないかご相談したところ、今回のワークショップを行う運びとなったのです。そのアーティストさんは志村信裕さん。ずっと願っていたことが実現できたことに感謝。会場となったのは1階図書閲覧スペース脇のコンピュータ室。3年生のみなさんを囲むように香取中の先生方をはじめ、新聞社が2社、香取市からはシティープロモーション推進室の方がくるなど取材も入り緊張の中スタート。

 志村さんから出た言葉は、「アートってなんだろう? 全員に自己紹介がてら答えてほしい」そんな問いかけとともに、アートには正解はないこと。これ言ったらだめなものはないことを説明され、3年生は、自分で考えたことを言葉で紡ぎだし発表。「創造性のあるもの、自分を解き放つもの、心の具現化などなど」そのどれもが同じものは一つもなく、素敵で個性的で、発表したその人そのもの。まるで志村さんと生徒が哲学的対話をしているように、時間がゆっくり、でもぎゅっとつまった時間が動き出しました。アート=美術 翻訳されたのは明治。本来のアートはラテン語のARS(アルス)芸術、医術、土木技術と広い意味をそもそも持っていたことを説明。そして、人類が描いたはじめて「アート」と認められる作品として知られる『ラスコーの壁画』から鑑賞はスタート、そして天井や壁一面に描かれた宗教画、ジョット作:スクロヴェーニ礼拝堂(1305年)。そして日常の生活が描かれ始めた作品、シャルダン『食前の祈り』(1740年)に移り一つの節目が来ました。それがカメラが登場してからの作品。志村さんの考えとしてはこのカメラの登場からが現代アートのはじまりではないかと。記録として肖像画を描いてきた画家がカメラの登場でその存在意義がなくなり、カメラでは描けない「個性」を絵に表現する時代が来たと。その「個性」が強く打ち出されたものがゴッホの『ひまわり』(1888年)。 その後、志村さんが選んだ作品は9点(著作権上画像は紹介できません)

1 モネ『印象、日の出』 (1872年)

2 ピカソ『アヴィニョンの娘たち』 (1907年)

3 モンドリアン『コンポジション2 赤、青、黄』(1930年)

4 ポロック『One : Number 31』(1950年)

5 河原温『JAN,4 1966』(1966年)

6 クリスト『ヴァレー・カーテン』(1970-72年)

7 ヴォルフガング・ライブ『花粉』(1977年)

8 ジェームス・タレル『ブルー・プラネット・スカイ』(2004年)

9 照屋勇賢『告知-森』(2005年)

 その第一印象をみんなで共有。作品によってはその制作方法や規模、実現までの道のりに驚いたり、制作のアイデアに感心したりと、作品を見つめる目がどんどん研ぎ澄まされていく過程が、3年生の表情からありありと伝わってきました。 

 授業後半はこの9点からどの作品がよかったか1点を選び、その理由を一人一人が発表。休み時間や後半冒頭に、その絵に集まり友達と話し合う人たち。一人でずっと考え続ける人などさまざま。そして志村さんが1枚1枚示して、その絵を選んだ生徒たちが発表。緊張の中、自分の考えを言葉や表情で表現できた3年生。アートの本質ってなんだろうか? そのことを2時間かけてじっくり考えたことの表れだったと思います。大変立派でした。その後、志村さんへの質問になり、数々の映像作品を手掛けてこられた志村さんの作品を鑑賞。それを見るたび、自然とうなる声。また、アーティストとして生きていくことについても質問が出され、アートそのものの存在意義とは何かまで迫る話をしていただきました。

 今回のワークショップ「対面型アート鑑賞」をとおして、改めてアートって何だろう? アートを見る目、アートを作ったり感じたりする心などをもつ種が一人一人の中にまかれたのではないでしょうか。きっと昨日までとは違う視点からいろいろなものを見つめていってくれることを願っています。

  授業冒頭の志村さんの問いかけへの3年生の返答 ⇒ アートってなんだろう.pdf

フランス料理にチャレンジ! 調理実習

 本日7月18日(木)午後は、夏休み前最後の香取学習2の日です。食と健康コースはフランス料理のフルコースを各グループで分担して調理しました。メニューは、チーズチーズアリゴ、鶏のコンフィ、サケのムニエル、ガレット、卵とキャベツのスープ、フルーツ飴、クリームチーズのミルフィーユ、プリン、クレープ

 栄養教諭の先生、養護の先生、コース担当の2名の先生の4名で生徒のみなさんの調理実習をサポート。朝の段階から食材の調達、準備等が始まり、午後から休む暇なく食材の切り出し、下ごしらえなど、どのグループも手際よく進め、ガスレンジやオーブンとにらめっこ。発表会に向けてタブレットで撮影なども並行して行いました。タブレットで調べたものをレシピにおこし、そのレシピを料理の形にしていく作業はきっと不思議で、面白かったことでしょう。お味はいかがでしたか。がんばって作っただけあっておいしく仕上がったと思います。ぜひ、夏休みに家庭でもつくってみると、さらに調理のスキルも高まることと思います。

 ちなみに和太鼓グループは体育館ステージで本番さながらに通し稽古を行っていました。茶道コースはお点前を講師の先生に学び、お稽古おわりに干菓子と薄茶で一服。おだやかな午後を過ごしたことと思います。香取神宮では雅楽の練習。(画像は先週のもの)越天楽はどこまで進んだでしょうか。夏休みに忘れないよう個人練習を進めていく人もいるかもしれませんね。

菊の苗仕立て

 本日、3年生の菊栽培(技術の時間)で技術指導をしていただいている学区にお住まいの大崎勇市さまから、菊の苗を仕立てもの30鉢をご提供いただきました。ありがとうございます。

国華金山黄色3鉢、精興右近黄色4鉢、国華玄隼白色1鉢、国華越山厚白3鉢、国華月花白色3鉢、国華亀甲赤錦3鉢、国華大日濃い赤色3鉢、一文字岸の天守閣黄色1鉢、一文字玉高院美赤色1鉢、間物泉郷一献美桜2鉢、間物彩湖舞妓桜3鉢

 しばらく苗が直射日光に当たらないよう木陰において様子をみたいと思います。順調にいけば開花予定は11月3日とのことですが、開校20周年記念式典の10月27日に花を咲かせるよう、8月下旬からシェードをかけるなどして成長を速めていく予定です。3年生のみなさん、毎朝の水やりが必要になってきますのでよろしくお願いします。

日本の食巡り献立 沖縄県 給食

 7月18日(木)夏休み前最後の給食は特別メニュー。今日は日本の食巡りシリーズ『沖縄』編。

献立は、ナーベーラのスープに、ゴーヤーのみそ炒め、パインゼリー、いかの天ぷら。ごはんに牛乳。

ナーベーラは沖縄の方言で「へちま」。普段は観賞用として育てられていますが、今回は沖縄から取り寄せたへちまことナーベーラを食材にかつおだしで鶏肉、ベーコンを一緒にしてスープにします。ゴーヤーは苦瓜(にがうり)とも言われ体に良いけど苦いのが特徴。千葉県産の肩ロース肉を贅沢に使い、みそ炒めにしてゴーヤーの苦さがわからないほどお肉満載の一品に仕立てています。そして、沖縄は海産物が豊富。沖縄では天ぷらでいただくことが多い海産物ですが、その中からいかをチョイス。天ぷらの衣に塩を入れて味付けがされているのでそのままでおいしくいただけます。香取中生は今回も栄養教諭の先生から食材や栄養について説明を受け、食育の時間も兼ねた給食の時間となりました。これで午後からの香取学習2も頑張れますね。ごちそうさまでした!

NHKアカデミアワークショップ

 7月17日(水)午後から本校で2年生を対象にNHKアカデミアワークショップ「かっこいい大人ってなんだ?」を開催しました。これは2年職員から職場体験学習前にキャリア教育を2年生の子ども達に行いたいという提案から実現したものです。NHK財団社会貢献事業部ことばコミュニケーションセンターシニア・アナウンサーの方をファシリテーターに、そしてディレクターの方をお迎えしての実施。生徒は事前にNHKアカデミア番組サイトから28人の各界で活躍するトップランナーのレクチャー動画を数本視聴。そして当日を迎えました。

 緊張した面持ちで3人から4人グループになってスタートしたワークショップ。ファシリテーターの方の卓越した話術で子ども達はNHKアカデミアの世界に。クラスの数人に好きなことをインタビューする中で「好きなことを話すときには、テニス!バスケ!のように名詞で答えるのではなく、テニスの試合で勝つのが好き!バスケでシュートを決めるのが好き!のように動詞で答えると具体的に話ができ、相手にはわかりやすい話し方になるよ。」とこれからワークショップに臨むにあたってのヒントをファシリテーターの方にいただきました。

 ステップ1として、一人一人が視聴した動画から「これだ!」と思った魅力ポイントを3点グループ内で発表しシェア。その後、発表したものをもとに『かっこいい大人』とはどんなポイントかグループ内で話し合って3つに絞りました。そして代表が発表。ファシリテーターの方には発表ごとに考えを深めるヒントをいろいろいただきました。

 休憩後はステップ2、番組ディレクターの視点でグループごとに考えた「かっこいい大人ポイント」をもとに、番組出演候補者のリストアップ。スポーツ選手や俳優、アーティストなどグループ内で10人以上リストアップされました。その後協議をして1名に絞り込み。なぜその出演者を選んだのか理由と説明を企画書に書き出し全体で発表。説明であいまいな部分はファシリテーターの方から、「抽象からより具象に!」とアドバイスを受けながら考えを絞り出す2年生。

 ワークショップをとおして、考えを深めるとはどんなことか、相手にわかりやすく伝えるためにはどうしたらよいのかなど授業や普段の生活の中でも生かせるスキルや考え方を学ぶことができました。生徒にとっても職員にとっても実りある2時間となりました。画像からそんな充実した表情が見られると思います。この場をお借りしてNHK財団の皆様にお礼申しあげます。ありがとうございました。

 グループ内で話し合ったかっこいい大人の魅力ポイント3つを紹介⇒ 各グループごとの3つ魅力ポイント.pdf

 NHKアカデミア番組サイト https://www.nhk.or.jp/learning/academia/