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2025年11月の記事一覧

学校クラスコンサートを振り返って

 11月3日(祝)みなさんお元気ですか。3連休の最終日、いかがお過ごしですか。香取中学校では10月23日(木)文化庁主催による「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業」(芸術家の派遣)、ピティナさま協力のもと、ピアニストの松岡美絵さま、オーボエ奏者の最上峰行さまをお迎えして学校クラスコンサートを開催しました。公演されたピアニストの松岡さまから、今回のコンサートを振り返ってメッセージをいただきましたのでご紹介いたします。一部修正。

 紅葉に彩られた木々を、大きな窓から眺める音楽室。その素晴らしい秋の景色に包まれながら、コンサートは最高の環境の中で幕を開けました。

 まずは『あすか』のテーマ曲でご挨拶。私にとっても最上さんにとっても思い出深いこの1曲は、音楽をこよなく愛する田畑校長先生からのリクエストでした。

 揃ってご挨拶をしたあと、ピアノソロで『ドビュッシー:アラベスク』を演奏しました。フランス印象派を代表する作曲家ドビュッシー―…音で絵を描くように作曲された時代…と、話をしながら、ふと窓の外に目を向けると、まるで音楽に寄り添うように色とりどりの木々が広がっていました。

 ピアノについてのお話しは、普段なかなか内部を見ることのない楽器なので、みんなに近くまで集まってもらい、弦の長さや振動を実際に観察してもらいました。

 続いて、『ドビュッシー:アラベスク』と次に演奏した『ショパン:幻想即興曲』に共通する【左右の異なるリズム】について、最小公倍数を使ってわかりやすく説明。その後は、全員で楽しくリズムワークに挑戦しました。

 『ショパン:幻想即興曲』の演奏では、生徒の皆さんがその複雑なリズムを目と耳でしっかりと捉えて聴いてくれました。その瞬間、私と生徒さん、そしてショパン——作曲家・演奏者・聴衆が一本の集中の糸でつながったように感じました。

 オーボエのコーナーでは、楽器紹介のあと、『ガブリエルのオーボエ』を取り上げ、最上さんと一緒にブレス(息づかい)の実験を行いました。結果はもちろん、最上さんの大・大・大勝利!
どこまでも続く息の長さに、子どもたちは驚きの表情。まるで人間離れした技術を、目の前で体感することができました。

 プログラムの最後は『ドニゼッティ:オーボエ・ソナタ』。
イタリアの作曲家らしく、オペラのような歌心と、ワクワクする速いパッセージが魅力の一曲で、オーボエの美しさが存分に引き出されました。

 そしてアンコールでは、会場全員で『校歌』を歌い、温かい余韻の中でコンサートを締めくくりました。香取中学校の生徒さんは、全員が心をひとつにして、この時間を過ごしてくれました。
ひとえに、日頃からの学校の取り組み、学ぶ姿勢の力だと…私達も驚きと喜びの連続でした。


『簡単に情報が手に入る時代だからこそ、「生の人間が伝える」ことの大切さを感じます。一生懸命に奏でる姿を見て、感じてほしい。その姿を伝えるためにここに来た——。』

『この時、この瞬間を逃しては二度とない出会い。私たちと一緒に歌い(演奏し)過ごす時間を、心に深く刻んでほしい。』

 学校クラスコンサートの醍醐味は、最上さんのこの言葉にすべてが集約されています。私にとってもまさに『一期一会』の、かけがえのない体験となりました。

 多大な準備を惜しみなく行動してくださった香取中学校の皆様、PTNA担当者様に心より感謝申し上げます。