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2020年8月の記事一覧
一の位は、密なのか。
先日の2年生の算数で28+17の計算の仕方について話し合っていました。教師側のねらいとしては、「一の位で10のまとまりを作って、十の位に1繰り上げて計算できることに気付くこと」でした。子どもたちは、ノートに図や矢印を書いたり、ブロックを動かしたり、試行錯誤していました。そして授業も後半、ころあいを見計らって、くり上がりに気付かせて授業をまとめようと、私が一の位に8個と7個で15個のブロックを無理やり入れたときのことです。一人の男の子が、真剣な顔で「先生!それは、一の位が密です!!」とつぶやいたのです。その一言から授業の話し合いは、白熱。いったいいくつなら、「密」ではないのか…。「密」になった一の位をどうするべきなのか…。
「やっぱり、密になったら、別の部屋に行くしかないよね。」「十の位なら、大きい数でも、大丈夫。」「10をこえたら、一の位では、密だから、十の位にまかせよう。」自然に、答えは、導き出されました。「密」という言葉で、「一定数より、多く集まっている状態の不自然さ」を表現したのでしょう。そして、今、この社会状況だからこそ、理屈抜きに周りの子どもたちもその状況を共有できたのです。
子どもたちの思考は、常に生活と共にあります。用いる言葉もそうです。子どもたちは、子どもたちなりに置かれた社会や生活を受け入れ、捉えようとしています。不安や変化に対応しようとした「小さなつぶやき」に共感できる心の余裕をもちたいと、子どもたちの身近な大人として強く思うのです。
つぶやきを共感しあえるような、素敵な夏休みになりますように。
◎R6 学校をよくするためのアンケートの結果について【数値】.pdf
◎R6 学校をよくするためのアンケートの結果について【記述】.pdf
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