職員あいさつ

2019年9月の記事一覧

実物にふれること


 

 長い夏休みが終わり、普段の生活へと戻ってきました。夏休み明けの子どもたちは、7月よりもさらに心も体も成長したように感じられ、私も嬉しくなりました。

 

 私は、夏休みの期間、「普段行けない場所に行こう!」という目標を立て、2つの場所を訪れました。それは、東京国立博物館と静岡県の登呂遺跡と博物館です。どちらも、とても楽しく、興味深い場所でした。

 この2か所を訪れて私は、実物にふれることの大切さを改めて実感しました。その土地の雰囲気を感じたり、何百、何千年も前に作られた物を目にして、その時代の人々に思いをはせたり…。行ってみて、見てみないと分からないことがたくさんありました。そして、このような経験を、学習の中で子どもたちにたくさん経験させてあげたいと強く感じました。

 

 4月から現在までの5年生の学習では、国語の時間に新聞やタブレットを用いて記事を読んでみたり、理科の時間にインゲンマメやメダカを育てて発芽や成長の様子を観察したり、総合的な学習の時間にフィールドワークに行って佐原の自慢の場所を見付けたりといった学習に取り組んできました。実物にふれることで子どもたちの関心も高まり、積極的に意見を交換する様子も見られました。これからも、子どもたちが生き生きと学習に取り組めるよう、様々な実物にふれる機会を取り入れ、学習を深めていきたいと思います。

心の灯り


 

停電の日々の中で、私の心に灯りをともしてくれた人がいます。

 

「先生のアパートは、大丈夫ですか?神崎の道の駅の隣のコンビニ、まだ品物買えますよ。」と声を掛けてくださった心温かい近隣の保護者の方。

 

「せんせいっ!」「学校も大変ですよね。うちも暑くて。」とコンビニの空っぽのお弁当棚の前で、天使のような笑顔を見せてくれた、かわいい1年生とそのお母さん。

 

「いろいろ充電器とか使える物持って行きますね。」「お弁当、こっちから買って行きますね。」「復旧するまで、一緒に涼んでいきますか?」とファミレスでの夕飯に付き合ってくれた、ひまわりみたいに明るい後輩。

 

「また明日です!お疲れ様でした。」と「圏外」で待つ家族の夕飯を調達しながら、家路を急ぐ親孝行な後輩。

 

丸付けも終わったし、次は、子どもたちが来たらすぐに、運動会のダンスの練習ができるように、もう一回、学年ダンスおさらいしてみる!」とエアコンの効かない研修室で、バッテリーの残り少ないiPadを片手に振り付けの確認をするかわいい先輩。

 

「電気付かないの?」「水は出るの?」「香取市、全国ニュースに出てるよ!」「復旧まだか?」「ガソリンあるのか?」と日に何度も何度も連絡をくれる、遠く離れた両親。

 

みなさんは、誰のことが思い浮かびましたか。「支えてくれる人がいるということ」に気付くことができたなら、予測困難な時代も乗り越えられるのではないかと信じています。

復旧に携わってくださった全ての方に感謝して、今日からは、教室の電気を心を込めて消そうと思っています。

 

小野川に蓋?!!


 

最近、佐原の町並みで撮影されたCMが流れていますね。テレビ番組でロケ地として使われているのを見る日も多いです。水運を利用して「江戸優り」と言われるほど栄えた佐原。その江戸の面影を残す町並みは、とても魅力的です。私は数年前、この町並みを作る過程の話を聞く機会に恵まれました。異業種体験という研修で、佐原町並み交流館さんにお世話になったのです。

「昭和の時代には、小野川に蓋をして駐車場にする計画もあったんですよ。」

と、にこやかに教えてくださった館長さん。町並みの中心を流れるシンボルのような小野川は、あって当たり前のものだと思っていた私は驚きました。それは当たり前ではなく、守ってきた人がいるからあるのだということに気付きました。昭和50年頃、いくつかの建物が重要文化財に指定されました。しかし、現在のように町並み全体を計画的に保存しようという機運は高まらなかったそうです。平成3年に「佐原の町並みを考える会」が発足し、それから10年かかって今の形ができてきたと言います。その地道な活動を知ることができ、とても有意義な研修となりました。

 話を聞いて思ったことは、佐原の町並みは、ただ古いものが残っているのではなく、人々の佐原を愛する心、思いと努力で作り上げられてきたということです。このことを子どもたちに伝えていきたいと思いました。

 この研修の翌年、佐原小に赴任し、ご縁があってのことだなと感じました。佐小っ子には、これからも故郷に誇りをもって、さらに盛り上げていってほしいと思います。

参考文献:町並み保存と再生町づくり20年のあゆみ

あ~夏休み


 

 令和初の夏をどのように過ごされましたか?私は、心にゆとりをもち、自分と向き合う時間を作ることができました。そこでふと思い出した言葉があります。皆さん、「スヌスムムリク」を知っていますか?ムーミンに出てくるスナフキンといった方が分かるかもしれません。スヌスムムリクというのはスナフキンの本名です。

そのスヌスムムリクがこんなことを言っています。

「この世にはいくら考えても分からない。でも、長く生きることで分かってくる事がたくさんあると

思う。」 

私はまだ未熟で、知らないことやまだ見たことのないもの、考えても答えが出ないことがたくさんあります。あのときは分からなかったけど、今になってこういう意味があったのだと思うことがあります。子どもたちといると、本当にたくさんの気付きや感動があります。

そんな子どもたちとの一瞬一瞬を大切にして、九月から過ごしていきたいです。夏休み中は、運動会に向けて手具の準備やダンスの練習を頑張りました。子どもたちと一緒に踊るのが待ち遠しいです。