学校から

学校から

長い間ありがとうございました。 3月31日(金)

 私は、今日でめでたく定年を迎えます。

 3年間、本ホームページをご愛読いただき、ありがとうございました。感謝の念に堪えません。

 来週からは、新校長が引き継ぎます。引き続きよろしくお願いします。

 

 最後に、私の大好きな言葉を二つ、「幸せを感じる四大元素」と「難しいことをやさしく」を紹介します。校長室の机に座ったときに必ず目に入る場所に貼ってあります。職員室にも貼ってあります。先生方に、このような気持ちで指導にあたってくださいというメッセージでした。受け止め方は自由です。このような気持ちをもって、今後もわらびが丘小の子供たちを指導していってください。よろしくお願いします。 

 わらびが丘小の良い子たち、卒業生、保護者の皆様、地域の皆様、これまで大変お世話になり、ありがとうございました。本当に楽しい毎日でした。皆様のおかげです。子供たちの夢を追いかける姿を想像して、遠くから応援しています。がんばれ! わらびっ子!(文責 海寳和宏)

 

 

 

離任式を行いました。 3月28日(火)

 令和4年度離任式を行いました。

 私は、送られる側です。「定年による退職」です。37年間の教員生活も最後の時を迎えました。大過なく過ごしてこられたのも、諸先輩方や同僚の先生方、児童・生徒の皆さん、保護者や地域の皆様のおかげと実感しております。あらためて感謝申し上げます。

 今年度は、支援員の方を含めると、4名の退職、6名の転出がありました。離任式には8名が参加しました。

 式は、校歌斉唱、教頭先生による退職・転出者の紹介、児童代表によるお別れの言葉、一人一人への花束の贈呈、退職・転出者のあいさつ、全校児童による見送りで終わりです。最後の校歌はジーンとくるものがありました。

 あいさつでは、夢を持つことと夢をかなえることについてお話をしました。ちょうどこの日の朝、宇宙飛行士の選抜試験に合格した2名のことがニュースで流れてました。国際機関に勤める40代の男性と、医師の20代の女性です。それぞれ最年長と最年少という対照的な2人です。共通するのは、「小さなころからの夢をかなえた」という点です。子供たちには、夢をもってそして夢をかなえるために、「いっしょうけんめいおべんきょうしてください」とお話ししました。毎日がとても楽しく、充実したわらびが丘小での3年間でした。

 見送りの時に、何名かの児童がお手紙をくれました。何度か読み返しながら、子供たちと過ごしたひと時を思い出しました。何物にも代えがたい貴重な時間だったと、いまさらながら感じました。

 学校は離れますが、いつでもわらびが丘小学校のことを応援しています。皆さんの大活躍を祈っています。(退職・転出者一同)

 これまでのご支援・ご協力、ほんとうにありがとうございました。 (文責 海寳)

 

 

「生徒の心に火をつける」 3月17日(金)

 本校職員室の前面に掲示してあるのは、アメリカの教育学者ウィリアム=アーサー=ウォードの名言です。

 

  凡庸な教師は、ただしゃべる。

  良い教師は、説明する。

  優れた教師は、やって見せる。

  そして、偉大な教師は、子ども(原文は生徒)の心に火をつける。

 

 私が好きな格言の一つです。

 「子供の心に火をつけるというフレーズが効いていますね。教師として目指す姿です。先生方には、どこを目指して指導していくのか、ということを折に触れて話しています。どうすれば火が付くのか、導入でのきっかけづくりにエネルギーを注いでくださいと。なかなかうまくはいきませんが、それでも1年を振り返ったときに、何回かは手ごたえのある指導ができたと言いきれれば大丈夫でしょう。

 小学校の指導で常々感じていることは、先生がお膳立てしすぎているのではないか、ということです。子供にやらせてもよいことまで先生がやってしまっていて、その結果「時間がない」「忙しい」「終わらない」という事態になっています。すべてがそうだとは言いませんが、これまでの指導法を劇的に変えるチャンスなのかもしれません。

 これまで先生が担っていた部分は、タブレット端末のおかげで相当少なくできるでしょう。例えば、手作りのプリントなどです。先生があらかじめ調べ、パソコンでまとめ、作成し、印刷して配り、さらに、先生が答えを言い、説明までするのです。これで果たしてどのくらい子供の頭に入るでしょうか。むしろ、キーワードだけ提示して、子供たちが調べ交流して、わかったことを発表させれば、アウトプットの機会にもなります。そのほうが子供たちも楽しいし、よほど印象に残るのではないかと考えます。

 「子供の心に火をつける」指導を目指して、方法を工夫してほしいものです。その前段階として、教材研究だけはしっかりと行ってください。 (文責 海寳)

 

  

 

「こんなに大きくなりました。」 3月15日(水)

 「こんなに大きくなりました」

 保健室前に貼ってある掲示物です。卒業生の1年時の身長と体重の男女別の平均と、同じく6年生になったときのものを比較しています。

 男子では、身長は平均36cm伸び、体重はほぼ2倍以上になりました。女子は、身長が34.2cm伸び、体重は男子と同じくほぼ2倍になりました。

 大きく成長しました。しかし、中学に入ったらもっともっと大きくなる子がいると思います。私も、中学校時に身長が伸び、中3時には今の身長になっていました。中3から伸びていないわけですね。しかも、今では少し縮んできました。一昨日、めでたく還暦を迎えたのですが、(多くの子から「おめでとうございます」と言われました)筋力が落ちて姿勢が緩んできたからか、やや小さくなったような気がします。どうでもいいですね、失礼しました。話を戻します。

 体の成長とともに、心の成長も見られます。最上級生としての行動は立派でした。明日の卒業式は、6年間の集大成です。在校生の心に残るような、立派な卒業式にしていきましょう。 (文責 海寳)

 

「がっこう、いきたくないなぁ・・・」 3月15日(水)

 「がっこう、いきたくないなぁ・・・」

 雨が降る月曜の朝。玄関でくつをはきながら、小学校2年生の娘はつぶやきました。

 

 「あなたは、このつぶやきにどのような言葉を返しますか?」

 これは、かつて生徒指導主任を任された年に、ある研修会で講演された「親業訓練協会」理事長(現在は顧問)である近藤千恵氏から投げかけられた言葉です。

 

 あなたなら、どう返しますか?

 

 「そんなこと言ってないで、早く行きなさい」

 「車で送っていこうか?」

 「何ぐずぐずしてるの!」

 「何か悩んでることがあるの?」

 「え~っ、どうしちゃったの?」

 「お母さんも仕事行きたくないなぁ・・・」

 

 さまざまな返しが想像できます。

 正解はこうです。

 

 「学校、行きたくないんだ・・・」

 

 カウンセリングの技法のひとつに「オウム返し(バックトラッキング)」というのがあります。

 「すごい悩んでたんです」

 「そう、悩んでたんだね」

 私はあなたの話をきちんと聞いていますよ、ということをオウム返しにより相手に示すことで、「わたしの気持ちはちゃんと伝わった」と相手が安心感を得るというものです。そして、そのあと安心して話せるようになっていくのです。

 

 近藤理事長は、このことをボールに例えて話をされていました。

 「子供が『がっこう、いきたくない』という、白いボールを投げているのに、私たち大人は、大人の考えである『早く行きなさい』という赤いボールで返してしまう。すると、子供は自分の伝えたいことが伝わっていないととらえ、もう話しても無理だと思ってしまう。心を閉ざしてしまうのです」

 「子供が白いボールを投げてきたら、その白いボールを投げ返すことが大切なのです。それが『学校、行きたくないんだ』という返しになるのです。そのことで子供は気持ちが伝わったと安心して、次の言葉を投げるのです」

 

 先の話には続きがあります。

 

 「そう学校行きたくないんだ・・・」

 「おともだちの〇〇ちゃんは、ママからもらったきれいなお花のもようのカサをさしているんだよ」

 

 子供が言いたかったのは、「自分もママのきれいな傘をさしたい」、ということでした。

 

 「うん、いいよ、ママのを貸してあげる!」

 「ううん、じぶんのカサがあるから!」

 娘は、明るく言って走って学校へ行きました。

 

 星野富弘さんという詩人で画家がいます。

 星野さんは、もう説明するまでもないほど有名ですが、元中学校の体育教師です。体操の選手として大学まで競技し、先生になった1年目に体操クラブ活動の指導中、鉄棒から落下して頚髄を損傷してしまいました。首から下が動かなくなり、失意の果てに口に絵筆をくわえて絵を描き、そこに詩をつけたものが、多くの人の共感を得て今に至ります。

 その星野さんの詩に、「二番目に言いたいこと」というものがあります。

 一部を紹介します。

  

 二番目に言いたいことしか

 人には言えない

 一番言いたいことが

 言えないもどかしさに堪えられないから ・・・

 

 確かに、私たちは一番言いたいことは胸の奥にしまっています。二番目に言いたいことを口にして、その裏側には、本当に言いたいことをグッとがまんしている自分がいることに気づきます。

 本当に安心できる、理解してもらえる人にしか、一番言いたいことは話さないかもしれません。

 そのためには、投げてきた白いボールを、正しくきちんと返してあげることから始まります。

 

 以来、親業訓練協会の方を招いて、保護者会で何度か研修会を開きました。保護者の方からは大好評で「またお話を聴きたい」という声をたくさんいただきました。私も、研修会の前に著作物を何冊も買って読みました。多くのことを学びました。「親業(おやぎょう)」という名のごとく、親も一つの仕事としてとらえると、大事なスキルは学ぶ必要があるし、逆に言えば、知ることによる効果や、試してみたときの子供の想像以上の良い変化は計り知れないということも感じました。

 これまで、幾度(いくど)となく保護者の方の前でお話しさせていただきましたが、この研修会での白いボールのお話は、今でも忘れられないほど保護者の方(300名くらいはいらっしゃいました)が一様にうなずきながら話を聴いていたのを覚えています。ある保護者の方(高校の先生をされていたお母様)は、帰り際に「先生のお話、とてもいい話でした。こんなこと言っちゃ申し訳ないけど、校長先生の話より良かった」と言ってくれました。私自身、研修会の内容が「目からうろこ」だったので、多くの方に伝えたいという気持ちからお話しさせていただきましたので、(校長先生には申し訳なかったのですが)話の意図が伝わって安心した、というのが本音です。

 長々と失礼しました。 (文責 海寳)