学校から

2022年9月の記事一覧

「威厳をもって丁寧に」 9月21日(水)

 ちょうど20年ほど前に、ヨーロッパ4か国を訪問する機会がありました。イギリス、オランダ、ベルギー、フランスを回りました。

 最初の訪問地であるイギリスでは、バッキンガム宮殿やウインザー城などに立ち寄りました。

 写真はその時のウインザー城のラウンドタワーを撮ったものです。この旗がイギリス国旗なら女王は不在、王室旗なら女王は在城ということでした。この日は運よく王室旗だったので、同じ敷地内にエリザベス女王がいらっしゃったわけです。(城内の「ロイヤルアパートメント」という建物だそうです)一昨日の国葬の様子をテレビで見て、あの時の感動がよみがえってきました。

 同時に思い出されたのが、最後の訪問地であるフランスでの出来事です。

 フランスでは、パリの日本人学校の訪問とともに、ダウンタウンにある中学校を訪問しました。場所柄、薬物や暴力など様々な問題があった学校だったと聞きました。

 ヨーロッパの学校は基本的に敷地をフェンスですべて囲い、当時から監視カメラなどのセキュリティは万全で、簡単に敷地内には入れません。

 新しく校長に就いたのがその地域の議員でした。学校を立て直すための方策として、警官が警察犬を伴い校内をパトロールすること、大学生を生徒の相談相手や指導員として活用することなど、いくつかの具体策を矢継ぎ早に繰り出し、学校は短期間で安定を取り戻したとのことでした。

 当時、校長はじめ何人かの学校スタッフと交流する場があり、そこで次のように質問してみました。

 「教員は、生徒と接するときに、どんなことに気を付けていたのですか?」

 すると、校長は、

 「生徒に対して、『威厳をもって丁寧に』接するよう、教員には伝え、そして実行しています」

 「生徒にとって教員は大人の代表です。教員が威厳をもつことで、生徒は尊敬のまなざしを向けます。そのような姿勢で丁寧に指導するのです。授業の質も上がります」

 「威厳をもって丁寧に」という言葉が胸に刺さりました。当然、「威厳をもって」とは威張ることではありません。その責任を全うしようという強い意志をもつことで醸し出される雰囲気みたいなものと私は捉えました。

 以来、心の片隅にいつも意識していた言葉です。

 

 フランスでは、このほかに印象深く覚えていることがあります。午前中に中学校を訪問し、午後から日本人学校を訪問しました。途中で昼食をとるためにレストランに入りました。

 メニューをオーダーしたときのことです。

 通訳の方が、「ワインは飲まれませんか?」と訊いてきたので、「これから訪問なので」と断ると、「ワインは我が国の文化ですよ」と言われ、「あ、ここはフランスだったのだ」と思い返し、1杯のグラスワインをおいしくいただいたことを思い出しました。

 「郷に入っては郷に従え」という諺(ことわざ)を痛感した出来事でした。 (文責 海寳)

今日は「重陽の節句(ちょうようのせっく)」 9月9日(金)

 

 今日は重陽の節句(ちょうようのせっく)です。健康長寿を願い、命を尊(とうと)ぶ大切な日とされています。

 

 以下、昨年度の本HP記事から引用します。

 

 五節句(ごせっく)というものがあります。

 ①人日(じんじつ)の節句  1月7日  

 ②上巳(じょうし)の節句  3月3日

 ③端午(たんご)の節句   5月5日

 ④七夕(しちせき)の節句  7月7日

 ⑤重陽(ちょうよう)の節句 9月9日

 

 古代中国では、奇数を「陽」、偶数を「陰」として占いなどに用いてきました。「陽」は縁起が良いとされています。中国では暦(れき・こよみ)で、奇数(陽)が重なると偶数(陰)になるとして、それを避けるために行事が行われていたということです。日本でも、宮中(きゅうちゅう)で邪気(じゃき)を払う行事が行われるようなり、また、季節の節目に当たることから節句(せっく)と呼ばれるようになったということです。

 

 重陽の節句は、陽数で最も大きい「9」が重なるので重陽(ちょうよう)と呼ばれています。本来は旧暦の9月9日を指し、今の暦では10月中旬にあたります。菊が美しく咲く時期でもあるので「菊の節句」とも呼ばれています。ちなみに菊は日本の国花であり、皇室の家紋でもありますね。

 調べてみると、いろいろなことがわかり楽しいですね。 (文責 海寳)