学校から

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水は方円の器に従う 8月14日(金)

 「水は方円の器に従う」

 これは、閉校した神南小学校の玄関に飾られていた木彫の書です。現在はわらびが丘小学校の校長室に飾られています。

 揮毫(きごう)したのは、渡邊操(存軒)先生です。言葉の意味は、「水は、入れ物の形によって四角(方)にも丸(円)にもなる。人もこれと似たようなもので、交友関係や環境によって、良くも悪くもなる」とのたとえです。出典は「韓非子(かんぴし)」※中国戦国時代末期の思想家韓非(かんぴ)の著書。

 渡邊操先生は、安政2(1854)年、旧良文村(小見川)久保に生まれ、東京で学業を学び明治14(1881)年、自宅に現在の千葉県立小見川高等学校の前身となる「無逸塾(むいつじゅく)」を開き、地域の青年教育のために奔走したそうです。(神南小学校閉校記念誌より)

 この言葉は、見方によっては、「様々なものに柔軟に適応する」とも解釈できますね。

 「上善は水の如し(じょうぜんはみずのごとし)。水は善(よ)く万物(ばんぶつ)を利(り)して争わず」という言葉があります。これは、中国の春秋時代の哲学者である老子の言葉です。意味は「最上の善は水のようなものである。水は万物を助け育てて自己を主張せず、他と争わず、だれもが嫌うような低いほうへ流れて、そこにおさまる」というものです。

 水にまつわる言葉はいろいろありますが、それだけ大切なものであるからでしょう。

 本校も、環境に左右されやすい子供たちが良くなるための「素晴らしい入れ物」になれるように、教職員一同力を尽くしていきたいと思います。 (文責 海寳)

芋苗成長日記7 8月12日(水)

 

 

 

 

 

 

 

 茎が伸びてきて、畝から滑り落ちるように葉が広がっている場所が見られるようになってきました。少しずつですが、生長が見られます。しかし、場所によっては生育不良なのか、やや寂しいところもあります。これから伸びていってくれるといいですね。でも、今年は1年目です。作物が育つ土壌としてどうなのかを探る意味での試験的な取組でもあります。大体の感じをつかんで来年に向けての肥やしにしていければと思います。 (文責 海寳)

神南小学校閉校記念誌が完成しました。 8月7日(金)

 神南小学校の閉校記念誌が完成しました。地域の皆様や御寄付をいただいた方、原稿執筆者、卒業生など多くの方々からお力添えをいただきましたことに深く感謝申し上げます。各区長様を通じて、または郵送で、すでにお手元に届いている頃かと推察します。ページを繰るごとに懐かしさがこみあげてくるのではないでしょうか。

 なお、このアルバムの配付をもって、閉校記念事業の一切を終了とさせていただきます。閉校記念事業実行委員会の皆様、長期間にわたり本当にありがとうございました。

 神南小閉校記念誌ですが、数冊の予備がございます。神南小の卒業生の方に限り、先着順で実費でお分けすることは可能です。注文できなかった方や、新たに手元に置きたいという方がいらっしゃいましたら、[わらびが丘小学校 79-6655]までご連絡ください。無くなり次第終了とさせていただきます。よろしくお願いします。 (文責 海寳)

2030年の社会とは③ 〜リーディングスキルを問う問題〜 8月4日(火)

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  今回は、私(海寳)が、6年生の算数の問題を作成してみました。算数の問題を作ったのは初めてですが、日常にありがちな設定をしたうえで、どう対処するかを図ってみました。単元名は「割合」です。学習課題は、「日常生活で生きる割合の考え方を知ろう」です。

 問題は以下のとおりです。100%オリジナルです。

 

《さんすうのもんだい》

・お母さんと買い物に行ったゆあちゃんは、ずっとほしかったくつが70%引きで売っているのを見つけました。ほしい色とはちがいますが、色ちがいだと、さらに30%引きです。

 どちらを買うかまよってしまいました。

 もとのねだんは3,500円(税別)です。

 もし、あなたがゆあちゃんとすごく仲の良い友だちだとして、「こっちのほうがいいよ」とおススメするならどちらですか。

 また、それはなぜですか。「だってさぁ、」に続くように、二つ以上の理由を入れなさい。

 買う時にはらう金がくもふくめてせつめいしなさい。

 ちなみに、ほしかったくつはげんてい5足で、2足のこっていますが、色ちがいのくつは、同じくげんてい5足で、のこりは1足だけです。

 

さんすうのもんだい 回答用紙

                      氏名        

 

ゆあちゃん、私は                              がいいと思うよ。 

だってさぁ、

 ①

 ②

 ③ 

 だから、                                 すれば?

 

 まずは5分間で考えてみよう、と指示しましたが、途中で「あと5分」「あと10分」と要求され、一生懸命考えている様子に思わず「いいよ」と言ってしまいました。

 問題文をよく読み込み、頭を抱えながら深い学びに入っていました。

 子供たちの回答で最も多かったのは「色ちがいのくつをおススメ」でした。理由は、安いから。余ったお金で他のものを買える、というものでした。

 また、70%引きからさらに30%引きに「えっ? タダ?」と考えてしまう子もいました。「さらに」という言葉の意味を飛ばしてしまったようです。まさに、リーディングスキルが問われる部分です。

 さらに、限定5足で残り2足などの条件付けがなされているので、その部分も考えながらの理由付けができるとよいと思います。

 

 全体的な傾向を聞いた後で、「税別」と「税込」の値段の違いや、考えられるパターンを5種類あげると「それもありかー」「じゃぁ・・・」「ちょっと変えようかな」という表情をした子が何名かいました。

 また、自分で買うのではなく、すごく仲の良い友だちにおススメするという状況を考え直し、相手の気持ちに思いをいたすことで、また違った理由を考えられる可能性を感じました。

 問いでは、「おススメするならどちらですか?」と尋ねていますが、「両方買えば」という考え方も間違いとは言えません。実際の場面ではあり得るからです。

 もっと極端に言えば今回の問題では、「全部(3足)買うのもありかも」という発想も面白いでしょう。なぜなら、全部買っても元の値段よりも安いのですから。2足、あるいは3足同じ靴を買うことのメリットを出し合うことで、新たな価値観に気づくこともあるはずです。

 2030年の社会に必要な思考の一つとして、「AかBかを考える中で、Cという発想を持てることが大切だ」と言われています。この発想こそがAI(人工知能)には持てない力だと言われています。

 交流に時間をかけられれば、より多くの理由をつむぎだせるのではないかと思いました。

 正解のない課題に、あらゆる知識と経験を動員して頭をひねっている子供たちの姿は、まさに「学び」の姿と言えます。 

 ソーシャルディスタンスは意識させていたのですが、学習に夢中になるとどうしても・・・。 ・・・言い訳になってしまいました。 (文責 海寳)

                    

梅雨が明けました。 8月3日(月)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 梅雨が明けました。梅雨明けに合わせたかのようにヒマワリも大きく花を開かせています。青空もまぶしいぐらいです。やっと夏が来た、という感じです。

 多くの学校では本日から夏休みとのことですが、本校では休校期間の学習の遅れを取り戻すために、今週いっぱいと24日からの週に午前中4時間授業を行います。今週は午後に保護者との二者面談も行います。今週を乗り切れば夏休みです。頑張りましょう。 (文責 海寳)

 

 

 

 

ヒマワリが咲きました。 7月31日(金)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教務主任のY先生がフェンス際に植えた約300本のヒマワリが咲き始めました。旧三中時代は大きな樹木がうっそうと茂っていた場所です。しかし、スクールバスの出口をつくるためにすべて伐採されました。おかげで明るくすっきりしました。しかし、すっきりしすぎてやや寂しい感じでもありました。そこに、Y先生が一本一本苗を植えていったのでした。休校期間中の夕方に植え続け、約2週間かかってすべて植え終わりました。

あとに続いて次々にフェンス際を彩ってくれるのが楽しみです。 (文責 海寳)

ふくおくんとじんこちゃんと? 7月30日(木)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昇降口から2階に上がる途中に、ソーシャルディスタンスを意識させるために福男君(福田小)と神子ちゃん(神南小)が待ち構えています。養護教諭のY先生が作ったもので、一斉登校が始まってからしばらくは保健室前に、7月に入ってから現在の場所に移動してきました。

 すると、きのうの朝、今まで見たことのないキャラクターが増えています。チャタロウくんです。神南小キャラクターのアオバズクのアオタロウくんならぬ「チャタロウくん」。みんなのソーシャルディスタンスをまばたきもせずに見張っています。

 みんな、ソーシャルディスタンスを守りましょうね。

 でも、もし守らなかったらどうなってしまうのでしょうか。 (文責 海寳) 

いじめゼロ宣言! 7月30日(木)

  児童会運営委員会が中心となって、各クラスで作成した「いじめゼロ宣言」を児童用昇降口にはり出しました。いじめを絶対許さない姿勢と、だれにでも親切に思いやりのある態度で接しようとする気持ちがたくさん伝わってきました。

 一人一人の思いの結集が学校全体の雰囲気を作っていきます。みんなが安心して生活できるわらびが丘小学校にしていきましょう。 (文責 海寳)

2030年の社会とは② ~無意識の意識化~ 7月28日(火)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環として、国からは企業に対して「テレワーク」が推奨されています。緊急事態宣言下では、多くの企業でテレワークが実施され、その可能性を評価した声も聞かれます。ただ、仕事によってはテレワークが不可能な職種もあるので、一概に良いとか悪いとかの評価は出しづらい面もあります。

 ところで、「テレワーク」の意味を考えたことはありますか。

 「テレ」を使った言葉を集めてみると次のようなものが頭に浮かびます。

  テレビジョン tele-vision

  テレフォン  tele-phone

  テレパシー  tele-pathy

  テレスコープ tele-scope

  テレポーテーション tele-portation

 「テレ」(tele)はもともとギリシャ語で「遠い」を表す言葉だったそうです。現在は「遠方の」「電信の」という意味で使われるそうです。

 テレビジョンは「遠くに画像を送る」、テレフォンは「遠くに声(音)を送る」という意味になります。

 共通するものを取り出して意味を探り、語を分解して考えると、うっすらと語の成り立ちが見えてきます。

 「テレワーク」の意味があぶりだされてきたでしょうか。

 

 「物語」の「物」の意味を知っていますか。

と、尋ねると多くの返答は「考えたこともない」でした。

 「物」(もの)に対するのは「事」(こと)。「こと」とは、古事記や日本書紀など「事実」を表すと言われています(はたしてどこまでが事実かは定かではありませんが)。それに対する「もの」は、「現実にはないもの、霊的なもの」を表すと言われています。「物の怪(もののけ)」の「もの」と通じるかもしれません。

 つまり、事実ではない(フィクション)、現実にはない話を語る(騙るーかたる)ことを「物語る」というわけです。

 

 このように、あたりまえのように言葉だけを覚えて、その意味なんて「考えたこともない」ということが身の回りにはたくさんあります。そのようなことに目をとめて不思議に思ったり疑問を持ったりすることから学習は始まります。まずは目をとめる(意識化する)ことを習慣化させることが大切です。そして調べて意味を探るのです。

 これこそが「無意識の意識化」であり、「主体的な学習」の始まりです。

 NHKの「〇〇ちゃんに叱られる」という番組は、まさにそれを地で行っています。

 新たに得た知識や、自分で発見した考えは誰かに話したくなります。誰かに聞いて欲しくてたまらなくなります。その結果、「へぇ〜」「初めて知った」「すごい!」というリアクションが返ってきたら最高です。気分がよくなって、もっといろいろな人に話したくてしょうがなくなります。

 「アウトプット」の効果です。相手から良い評価を得ることで、繰り返してしまう。その結果、一生忘れない知識として定着します。

 これまでの学習は、知識を得て(インプット)、それを生かす(アウトプット)までに至らないことが多くありました。生かすのはテストぐらいでしょうか。しかし、本来の学習は日常生活や社会生活で生かすためにあるのです。使って生かす(アウトプット)ために行うのが学習です。「学びの必然」です。不思議や疑問が「知りたい」「解決したい」に変わり、調べて考えてまた調べてわかったことを誰かに伝えて評価を得る。その評価が良い感触なら気分よく他の誰かに話したくなり、また気分よくなる。このようなプラスのスパイラルが自然に学習効果を上げていくのです。

 

 新しい学習指導要領は2030年の社会に生きる目の前の子供たちに、今、身に付けさせるべき力は何かということを見据えて、「主体的・対話的で深い学び」「無意識の意識化」「正解のない課題に立ち向かう」「合意形成能力」「発想とひらめき」「創造力」「課題発見・解決能力」「メタ認知」などをキーワードとして、それぞれの発達段階に応じて学習内容を定めています。 

 今日はこの辺にしておきます。 (文責 海寳)