校長日誌

家庭・地域と学校が一つになった素晴らしい運動会でした!

 大勢の保護者・地域の皆様の温かい声援をいただき、好天のもと運動会を行うことができました。

 今年度の運動会は、数年ぶりに全学年の児童がそろい、一日かけて行いました。また、創立150周年記念事業として、他校を招待した学校対抗リレーや風船飛ばしを行いました。

 暑い中でも一生懸命にがんばる子どもたちの姿に感動した一日でした。そして保護者の皆様には、風船飛ばしの準備や親子種目への参加などに気持ちよくご協力いただくなど、家庭・地域・学校が一つになった素晴らしい運動会となりました。

 運動会の終日開催にご理解いただくとともに、子どもたち一人一人に温かい声援を送ってくださった皆様に深く感謝しております。

  

 当日は、ものすごくたくさんの方々にご来校いただきました。学校じゅうが朝からお祭りのような賑わいで、会場全体からの大声援が子どもたちへの大きな力となりました。赤組と白組のし烈な優勝争いで終盤まで盛り上がり、最終結果は白組が2点差で勝利。491名の児童が一日かけて争い2点差とは…。誰も想像していなかったドラマチックな結末でした。

 創立150周年記念事業として行った、小見川地区の小学校による招待リレーは圧巻でした。本校を含め計4校の代表選手は、各校のユニフォームを着てカッコよく入場。スタートの合図とともに会場は大歓声に包まれ、どの選手も自慢の脚力を存分に披露しました。そして、競技後は4校そろっての記念写真の撮影。数年後に大人になったら、「中央小の創立150周年で運動会に招待されて、学校代表でリレーに出場した時の写真だよ。」などと言いながら、自分の子どもや家族に自慢できる一コマになるのではと、勝手に想像を膨らませています。ご協力いただいた東小・西小・北小の選手及び保護者・学校関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

 今年度は一度に多くの方が観戦できるよう、観戦エリアを広くしました。また、校舎内を朝から開放し、教室や特別教室など涼しい場所で昼食をとれるようにしました。場所取りなどの混乱を避けることと、熱中症を防ぐという2つの観点から知恵をしぼって考えた、初めての試みでした。

 家族がお弁当を囲んで食べる風景は、運動会ならではの素敵なひとときでした。何年ぶりに見る光景でしょうか。家族の自然な笑顔や会話が広がり、学校じゅうがとても和やかな雰囲気に包まれました。早朝からの昼食の準備は大変だったと思いますが、子ども一人一人の記憶に残る思い出になったことと思います。保護者の皆様のご協力に、心より感謝しております。

 また、昼食後には、全校児童による風船飛ばしを行いました。創立150周年記念事業実行委員長の金親孝夫様がカウントダウンを行い、500個以上の風船が全校児童の手から一斉に放たれました。大空に無数の風船が舞い上がる風景と、その風船の姿をたくさんの子どもと大人がいつまでも追い続ける光景がとても印象的でした。150周年を記念する感動的なシーンが、子どもたちやご家族・地域のみなさんの思い出の1ページになってくれたら幸いです。

 

 今回の運動会を通して、保護者や地域の皆様の温かい愛情に包まれながら、中央小の子どもたちが健やかに成長していることを感じています。

 全国各地で少子化が進んでいますが、地域と家庭・学校が一緒になって子どもを育てる「中央地区の教育力」が、今後も引き継がれていくことを願っております。

 運動会へのご支援・ご協力、誠にありがとうございました。

150周年記念事業スタート! 新しい遊具を、ありがとうございました。

 運動場に新しい遊具が6基完成しました。この遊具は、学区にある『BEAUTE DE LABO(ボーテ デ ラボ)株式会社』様から中央小にご寄贈いただいたものです。また、工事費については、地域の学区同窓会(賛助会)からの創立150周年記念事業に向けた積立金から支出していただきました。

 今回設置していただいた遊具は、「ロングラダー(長いうんてい)」「クライミング(壁登り)」「6連ブランコ」「すべり台」「ジャングルジム&すべり台」「3色鉄棒」です。カラフルな新しい遊具が、運動場を囲むように並び、学校の風景ががらりと変わりました。

 5月15日(月)に完成し、その日から早速使わせていただいています。このたびの地域の皆様からのご好意に対し、本校職員一同、深く感謝しております。3年以上にわたるコロナ禍で子どもたちは我慢の学校生活が続いてきましたが、ようやくマスクを外して思い切り友達と遊ぶことができます。

 創立150周年記念事業は、新しい遊具の設置でスタートしました。この周年事業で子どもたちに伝えたいメッセージは、“未来へはばたけ、中央の子ども!” 地域の皆様のご支援をいただきながら、1年間かけて、未来を生きる子どもたちの夢や希望を育む記念事業を展開していきます。みなさん、楽しみにしていてください。

全校児童がそろって活動できる喜び

 国や県の方針を受け、今年度末は久しぶりに全校児童がそろって教育活動ができるようになりました。

 

 2月28日(火)には、卒業を控えた6年生に向けて「6年生を送る会(ありがとうセレモニー)」を行いました。体育館に全校児童が集まり、6年生一人一人の個性あふれる紹介、思い出の映像や元担任からのビデオレター、感謝のメッセージや歌声、手作りのプレゼントなど、1~5年生が感謝の気持ちを届けました。また、最高学年のバトンが5年生に引き継がれるなど、新年度に向けて全校児童の心の絆が深まる素晴らしい機会となりました。

 3月9日(木)には、「第149回創立記念式典」を行いました。来賓の方々をお招きし、全校児童がそろって学校の誕生日をお祝いしました。4年ぶりに大勢で校歌や中央小のみんなの歌「あしたに夢を」を歌い、地域の同窓会からは美味しい紅白のおまんじゅうをいただきました。また、式典後にはプロの演奏家による芸術鑑賞会を行い、楽しい打楽器の演奏に児童は大盛り上がりでした。

 3月17日(金)には、卒業証書授与式を行いました。卒業生85名はマスクを外し、一人一人が素敵な笑顔で母校を巣立ちました。来賓・保護者の人数制限もなく、1~5年生も教職員もそろって参加し、卒業生の門出をお祝いしました。全校での校歌斉唱や、卒業生と在校生それぞれからの「お別れの言葉」や「お別れの歌」は、とても圧巻で感動的でした。多くの児童が初めて参加した卒業式でしたが、厳粛で張り詰めた学校行事を経験し、日常の学校生活では味わえない新鮮で清々しい雰囲気を体感しました。

 

 全校が参加する行事の開催は、学校に活気を呼び戻しています。そして、コロナ禍でこれまでストップせざるを得なかった「大勢が一堂に会すること」や「地域の大人が期待や希望を児童に伝えること」が、児童の心の成長に大きな効果をもたらすことを改めて感じ、学校行事の教育的意義を再確認しました。

 ここ数年の行動制限で、児童は様々な体験が不足しています。そのなかで、感染対策が少しずつ緩和され、新年度からの教育活動に明るい兆しが見え始めています。児童の視点で自身の学校経営を見つめ直しながら、今後も様々な体験活動を通じて心の教育を進めていきます。

平和を願う「青い目の人形」

 小見川中央小には「青い目の人形」が2体あります。名前は「ドロシー・ヘレン」と「メーイ・ホース」です。1927年(昭和2年)に小見川幼稚園に贈られ、昨年夏から本校で保管しています。

 「青い目の人形」は、アメリカから日本の幼稚園・小学校に贈られたものですが、太平洋戦争中に敵国の人形として、全国で焼却されました。96年前に友好の証として贈られた当時には、全国で約1万2000体の人形があったそうですが、今は約300体のみが残っているそうです。

 先日は、全校児童に「戦争中に、日本中の青い目の人形が壊されたこと」「貴重な人形が、中央小に2つあること」「戦争のことを勉強して、世界中の平和に向けてみんなで努力すること」などを話しました。2月19日には東総文化会館(旭市)で朗読劇がありましたが、その際も本校の2体の人形が展示されました。

 「青い目の人形」は歌が有名ですが、6年生の社会科の教科書にも掲載されています。悲惨な戦争を物語る歴史の資料として、中央小の子どもが目に触れられるようにするなど、これからも本校の宝物として大切にしていきたいと考えています。

 

 1月に体育館の大規模改修に向けて職員作業を行いました。その際に、昭和4年に撮影された『陸上部の写真』が出てきました。香取郡市の陸上大会で優勝した記念写真で、64名の選手と教職員が勢ぞろいした立派な白黒写真です。男子は全員丸坊主で、女子はお揃いのユニフォームで、校旗や優勝旗と一緒に、どの子どももきりりとしたたくましい姿で写っています。

 でも当時は富国強兵の時代。太平洋戦争が始まったのが昭和16年なので、写真を撮影してから約12年後に開戦。当時の子どもたちは20代半ばで戦争の真っ只中を生きていたことになります。もしかすると、頑強な身体の持ち主として真っ先に戦場に送られ、命を落とされた方もいらっしゃるのではないかと思い、心が痛みました。

 

 終戦から80年近くが経ちます。そして、今でも他国で戦争が起きています。悲しい歴史や惨状に触れるたびに、私たちは「教育の力で、子どもたちが将来にわたり、悲しい戦争に二度と巻き込まれないようにしたい」と考えます。

 本校はまもなく創立150周年を迎えますが、過去の歴史を振り返りながら、様々な教育の機会を通して、子どもたちに「命の尊さ」や「平和の大切さ」も学んでほしいと思います。

絵本作家「たかはし まいまい」さんとの出会い

 本校では、令和5年度の創立150周年に向けて、マスコットキャラクターを作成しましたが、これは絵本作家「たかはし まいまい」さんとの出会いがきっかけです。

 昨年8月に、1冊の絵本が学校に贈られてきました。絵本のタイトルは“いろいろ むしむし”。作者は「たかはし まいまい」さん。本校の卒業生で、現在は岡山県にお住まいです。絵本を見ると、自然の中にいる身近な昆虫が、鮮やかな色彩で生き生きと描かれています。夏休み明けに子どもたちへ紹介し、図書委員会の児童がお礼の手紙と写真を送りました。そして、まいまいさんからもお返事や昆虫の絵をいただき、全校児童に紹介しました。

  それから数か月がたち、学校では、次年度の創立150周年に向けたアイディアを考えていました。その中で、子どもや職員から「周年記念のマスコットキャラクターを作成してはどうだろう」という意見があり、私の頭の中でピーンと浮かんできたのが、絵本作家の「たかはし まいまいさん」でした。そして、6月にまいまいさんにメールでご相談し、キャラクターの作成にご協力いただけることになりました。

  それから、キャラクター作りを通した、まいまいさんと学校との交流が始まりました。

<7月> 児童会の子どもたちが、全校にアイディアを募りました。家族と相談したり、学級で話し合ったりして、「中央小の良さや特徴」「どんなキャラクターにしたいか」などを紙に書き出し、岡山県のまいまいさんの元へ送りました。子どもがそれぞれ自由に書いた用紙をたくさん郵送しましたので、まいまいさんにはさぞかしご迷惑をおかけしたかと思います。

 <8月> まいまいさんは、子どもたちからのアイディアをもとに、キャラクターの素案を考えてくださいました。そして、4つの作品を送ってくださいました。当初学校では、その素案から一つを選定し、まいまいさんに再度作成をお願いする予定でした。ところが、素案と言っても、さすがにプロの作品はどれも素晴らしすぎます。児童会の子どもも職員も、選ぶこと自体が難しく戸惑いを感じ、「4つともお願いできませんか」とわがままなお願いをしてみることにしました。すると、まいまいさんからの回答は、なんと「4つともでいいですよ!」。有り得ないことです。まいまいさんの心の広さとご好意に感謝の気持ちでいっぱいでした!

 <9月> 4つのキャラクターに、名前を決めることにしました。児童会が映像を用いて、「キャラクターを4つにすること」「名前を全校から募集すること」を投げかけると、各教室からは歓声が沸き上がりました!

 <10月> 保護者にもご協力いただき、家族で話し合いながら名前の候補を集めました。497名の子どもたちからは、学校のシンボルである「くすの木」や、学校の近くを流れる「黒部川」などに関連したたくさんのアイディアが集まりました! 児童会は、どうやって候補をしぼっていくか、かなり悩んだようです。

 <11月> 各学級で話し合い、名前の案をしぼりました。そして、学級でしぼられた案をさらに代表児童委員会で話し合い、各キャラクターの最終候補名を5~6つにしぼりました。どの名前も「母校中央小」や「ふるさと小見川」を愛する気持ちがこもった素敵な名前でした!

 <12月> 12月1日に、全校児童、150周年記念事業実行委員の地域の皆さん、学校職員で最終投票を行いました。3年生以上はタブレットを使用しました。そして、4つのキャラクター名は「くすじい」「くすたろう」「くろべひめ」「くすりん」に決まりました。数ヶ月の選考を経て選ばれた、子どもたちの想いがいっぱいに込められた名前です! また、まいまいさんからは、4つのキャラクターの完成版が届きましたので、12月16日に、児童会から、「完成したキャラクター」と「決定した名前」が全校に発表されました。同時に、児童会から保護者へ向けた手紙が配られ、HP等でも公表しました! 今、子どもたちはまいまいさんへ感謝の気持ちを伝えるために知恵をしぼっているところです。

 

 たかはし まいまいさんと中央小の子どもたちとの出会いは、母校の先輩が絵本を贈っていただいたことをきっかけとして始まりました。そして、子どもたちは、創立150周年という学校の大きな節目に、キャラクター作りを通して、自主性や協力性、学校や郷土を愛することの素晴らしさなど、多くのことを学んでいます。これも、たかはし まいまいさんのご厚情とご協力のおかげです。職員一同、心より感謝しております。

 4つのマスコットキャラクターは、これからの150周年のお祝いの様々な場面で活躍していきます。そして、子どもたちには、まいまい先輩のように“母校中央小を、そしてふるさと小見川をいつまでも愛する” そんな心優しい大人に成長してほしいと願っています。