校長日記

校長日記

卒業証書授与式に込めた思い

 3月18日(火)に卒業証書授与式を行いました。たくさんのご来賓・保護者・在校生そして職員に見送られながら、卒業生23名が母校を巣立ちました。

 学校ではこれまでに様々な行事を行ってきましたが、やはり卒業式は特別です。本校は日頃から上学年と下学年の児童相互の心の絆が強い学校ですが、全校での校歌斉唱や、卒業生と在校生それぞれからの「お別れの言葉」や「お別れの歌」がとても素晴らしく、圧巻で感動的でした。式典を通して卒業生は卒業の喜びを味わい、在校生はこれまでの練習の成果を発揮した達成感と、厳粛な雰囲気で静かに流れていく卒業式の素晴らしさを体感することができたことと思います。

 

 職員も卒業式に向けて、指導や準備に力を入れてきました。「今年度は呼びかけをやろう」という話が職員間で持ち上がり、在校生の呼びかけは担当が言葉を一から考え、卒業生の呼びかけは卒業生が自分たちで言葉を考えて作り上げました。歌は「どんな歌にしようか」と担当が児童の意向を聞きながら曲目を決め、在校生は二部合唱にもチャレンジしました。

 また、保護者控室を図書室に設置し、式典前には職員が作成した映像を保護者の方に観ていただきました。1年生の頃からの写真をふんだんに使用した担当手作りの映像で、6年間の成長を改めて感じていただけたかと思います。

 他にも、卒業生の呼びかけや歌で一人一人の顔が見えるよう「ひな壇」を作成したり、教室や廊下等の掲示や飾り付けを工夫したり、体育館や控室を花でいっぱいにしたりと、職員みんなでアイディアを出し合いながらがんばって準備を進めました。

 式典の1週間前には、数名の卒業生や職員等が新型コロナに感染するピンチを迎えましたが、臨時休校の緊急対応をさせていただいたり、登校を再開しても式典練習を中止したりして、感染の広がりを食い止めることを最優先して対処しました。卒業生がそろったのは卒業式の前日でしたが、6年担任が児童一人一人の気持ちに寄り添いながら親身になって対応してくれました。

 

 全職員が一丸となって卒業式に臨むことができたのは、職員一人一人に「卒業生のために」という強い思いがあったからです。私たちの仕事は子どもたちに愛情を注ぐことですが、その注ぎ方は様々であり、その一つの形が今回の卒業式であったと思います。私にとっても卒業生とは1年間のかかわりでしたが、素晴らしい子どもたちと出会い、一生忘れられない最高に楽しい1年間となりました。

 これまでの指導を含め、至らない点も多々あったと思いますが、保護者の皆様には6年間にわたる本校教育へのご理解・ご協力をいただき、深く感謝申し上げます。

 卒業生23名の今後のご活躍を、心よりお祈りしています。

学年を越えた心の絆

 本校教育の特色の一つに、「学年を越えた心の絆」が挙げられます。小規模校の利点を活かし、高学年の子どもたちは、たてわりでの遊びや清掃、地区別の集団登校などで、下級生をリードしています。また、下級生は先輩の思いやりや温かさを感じながら、協力性や社会性を学んでいます。上級生と下級生が様々な場面でかかわる活動の積み重ねが、新島の子どもたちの素直で誠実な心に響き、学年を越えた強い絆を育んでいます。

  1月には業間活動で、8つのたてわりグループに分かれて長なわを行いました。どのグループでも上級生が下級生に跳び方を優しく教える微笑ましい姿が目立ち、学校じゅうが温かい雰囲気に包まれました。

 2月からは、卒業を控えた6年生が下級生の教室へ行って、給食を一緒に食べています。学校のリーダーとして活躍している6年生が、下級生と互いの心を通わせながら楽しく食事をする姿がとても印象的で、一人一人の心の成長を育む良い機会となっています。

 3月には、ポプラの苗木を全校児童で植える計画を立てています。ポプラは校歌に歌われている「新島小のシンボル」ですが、現在グラウンドにある4本の大木がかなり古くなっているため、6年生が卒業する前に全校児童で新しい苗を植樹したいと考えています。子どもたちの心の絆がさらに深まり、小学校での思い出に残る活動になればと期待しています。

  学校ではまとめの時期を迎えましたが、新島小の子どもたちは、年明けから驚くほどの成長を見せてくれています。特に、卒業や進級への準備を進めるこれからの時期は、子どもの豊かな心を育てる良い機会です。

 学年を越えた強い心の絆で結ばれている新島の子どもたちに、これからどのような教育活動を展開していくか、年度末は学校の力の見せどころです。このチャンスに、職員で知恵をしぼりながら、子ども一人一人の心に響く教育を充実させていきます。

新しい年がスタートしました。職員一同、新たな気持ちでがんばります!

 冬休みが終わり、元気な子どもたちが学校に戻ってきました。心配していた年末年始の事故もなく、全校児童がそろって新年を迎えることができたことは、とてもうれしいことです。

  私はお正月の1月2日に学校の見回りをしました。そして、今年も子どもたちの成長を見守り支えてくれる新島小の校舎に3つのお願いをしました。

 一つ目は、「子どもたちが交通事故や水の事故にあいませんように。97人の子どもたちの大切な命を守ってください。」ということです。

 二つ目は、「子どもたちが仲良く学校生活を送れますように。子どもと教職員が健康で楽しく過ごせますように。」ということです。

 三つ目は、「日本じゅう・世界じゅうから災害や戦争が無くなりますように。安全で平和な世の中になりますように。」ということです。

 

 1月6日(月)の登校再開日には、これらの願いを全校児童にも話しました。

 どの子も「新しい年にがんばろう!」という希望をもって登校しています。子ども一人一人の期待にしっかりと応えられるよう、今年も子どもたちの健やかな成長に向けて、職員一同、精一杯努力してまいります。

 本校教育に対する皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。

最後までがんばる姿に感動! 校内マラソン大会

 11月30日(土)に校内マラソン大会を行いました。当日は雲ひとつ無い晴天のもと、たくさんの保護者や家族の方々が応援に駆けつけてくださりました。子どもたちがラストスパートをかける沿道からグラウンドへ入る花道で、周りからの熱い応援が一人一人の背中を押してくれました。まるで箱根駅伝のような歓声が会場に沸き立ち、大会はとても盛り上がりました。

 マラソンコースの安全確保のためにご協力いただいた香取警察署や交通安全協会の方々、PTA校外指導委員の皆様には、深く感謝申し上げます。また、保護者の皆様には、10月からの業間マラソンへの取組やお子様の体調管理にご協力をいただき、ありがとうございました。

 

 子どもの視点で考えると、マラソン大会はなかなか悩ましい行事です。学校は子どもの意欲を大切にしながら教育活動を進めていきますが、全ての子どもがマラソン大会を楽しみにしているわけではありません。マラソンはそもそも苦しくてつらいスポーツであり、同学年で競い合えば、速い子も遅い子も出てきます。マラソン大会には明らかに、他の教育活動とは異なった子どもからみたマイナス面の特性があります。    

 今回も本番が近づくにつれ、「校長先生、大会やりたくないよ~」と子どもたちは本音をぶつぶつと言ってきました。私はそのたびに心苦しい気持ちになりますが、何とかマイナス面をプラス面に変える作戦を立て、大会後には全ての子どもが達成感を味わえるようにしたいと考えて当日を迎えました。

 

 一つ目の作戦は、マラソン大会で目指すべき方向性を子どもに伝えてきたことです。

 大会の数日前から、全校の子どもたちに「大会では自分の目標をもって走ろう」ということ、そして「目標はそれぞれ違うこと」や「人は目標があるとがんばれる」と呼びかけてきました。順位に縛られるのでなく、各自の目標を達成することに目を向けるようにしました。

 また、開会式では「今日は最後までがんばることが大切」と話しました。「目標をもつこと」や「最後までがんばること」は、全ての子どもが達成できるゴールだからです。

 

 二つ目の作戦は、子ども一人一人の努力や取組を評価するようにしてきたことです。

 子どもたちには、業間マラソンに休まず参加したり、苦しくても逃げずに大会へ出場できたりしたことを大いに褒めています。一人一人の努力を評価し、次への意欲につなげることに、教育的意義があると考えています。

 

 社会生活が便利になり、子どもが育つ日常生活には、厳しさや困難さを経験する機会が減ってきています。また、学校のスポーツ活動も、時代の流れとともに、以前のような根性第一の考え方でなく、児童の主体性や自主性を尊重するようになっています。

 「昔と比べて、今の子どもたちは…」という話をよく耳にしますが、今回のマラソン大会を通して、新島小の子どもたちには、以前と変わらないたくましさや強さがあることを感じました。マラソン大会の目的ややり方は社会の変化と共に変わりますが、今回のような貴重な経験をすることも、未来を切り開いていくための子どもたちの生きる力になってくれることと信じています。

  マラソン大会で苦難から逃げずに懸命に走り抜いた子どもたちは、誰もが100点満点です。そして最後までがんばった子どもたちのことを、校長として誇りに思います。これからも子どもの意欲を大切にしながら、一人一人の成長をしっかりと見守っていきます。

 

  

 

音楽の力のすばらしさ ~あきぞら音楽集会を初開催~

 10月30日(水)に「あきぞら音楽集会」を体育館で行いました。この集会は本校が初めて開催したもので、子どもが主体となった音楽集会です。

 子どもたちが日頃お世話になっている地域の方々を学校にご招待し、当日は「登校時の安全ボランティア」「交通安全協会」「新島駐在所」「新島郵便局」「高齢者クラブ」「NPO法人香取市与田浦を考える会」「扇島東組自然を守る会」などの皆様(計24名)にご来校いただきました。また、130名以上の保護者・家族の 方々にもお越しいただきました。

 全校での校歌で始まり、学年ごとの歌や演奏の発表、子どもたちからの感謝の言葉やお礼のプレゼントが招待者の方々に贈られ、参加者全員で「まっかな秋」を歌いながら、会場が和やかな雰囲気に包まれました。新島の子どもたちがまっすぐに成長する姿と、みんなで気持ちを合わせて活動する様子をご覧いただけたかと思います。また、おまけですが、職員による本気の歌も披露させていただきました。

 おかげさまで、地域や保護者の皆様にご協力をいただきながら、子どもの心に響く素敵な音楽集会となりました。初めてのチャレンジではありましたが、音楽を通して子どもたちの心の成長を実感することができ、職員一同とてもうれしく感じております。

 

 音楽は私たちの暮らしに欠かせないものであり、学校教育では子どもが音楽に親しむ機会を大切しながら、豊かな心を育てています。朝の始業前や給食時、清掃時などには素敵な曲が放送で流れ、子どもたちは落ち着いて活動に取り組んでいます。授業中は音楽室からにぎやかな楽器の音が聴こえたり、今年度からは季節に合った「今月の歌」をみんなで歌ったりと、学校生活の様々な場面において、音楽に親しむ活動を取り入れています。

 学校では当たり前の光景かもしれませんが、子どもたちの多くは、コロナ禍でマスクの着用や給食での黙食などを長い期間強いられてきました。友達と自由に話をしたり、元気に歌を歌ったりする活動も、縮小又は休止せざるを得ない状況の中で育ってきた子どもたちです。今でもその時の影響が見受けられますが、今回の音楽集会をはじめ全ての教育活動を通じて、子どもが主体となる活動を取り入れながら、もっと自由でもっと笑顔でのびのびと育つ学校づくりを進めていきたいと考えております。

  先月は、香取郡市の音楽発表会に3・4年生が学校の代表として参加しました。当日は驚くほどのたくさんの保護者の方々が会場に駆けつけてくださり、子どもたちはすばらしい発表をすることができました。音楽が大好きな小・中学生が集まる晴れ舞台で、仲間同士の気持ちが一つになった合奏・合唱と、緊張の中でもがんばる子どもたちの成長した姿に私も感動しました。

  音楽はすばらしい文化です。そして、いつまでも大切にしていきたい教育活動です。あきぞら音楽集会や郡市音楽発表会を通して子どもたちが大きく成長し、音楽の力で子ども・保護者・地域の方・教職員の心の絆が深まっていることを感じています。

 新島小は「地域に愛されるあたたかい学校」を目指しています。また、教職員は「子ども一人一人の良さや可能性を引き出せるよう」にがんばっています。

 これからも本校教育へのご理解・ご協力をお願いいたします。