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校長日記
子どもが自分で考える自由な学校に
4月のPTA集会で保護者のみなさんに少しだけ話をしましたが、私は校則やきまりで縛ることなく、自由な雰囲気の中で子どもを育てたいと考えています。自由というのは「子どもを指導しない」とか「子ども任せにする」という放任ではなく、子どもが自分で考えて行動する機会を学校の教育活動で意図的に設けていくことが、子どもたちにとって将来社会でたくましく生きていく力につながるという考えです。
私たち教師は、どうしても子どものトラブルや事故などを未然に防ぐことを考えがちです。未然防止の視点はとても重要ですが、学校生活のあらゆる場面において「あれもだめ」「これもだめ」という指導を私たちが先走ると、子どもたちは受け身になってしまいます。それならば、子どもが自由に活動し、失敗したら反省し、ルールが必要ならば友達と一緒に知恵をしぼっていくようなプロセスを経たほうが、子どもの社会性や協力性が高まるのではないかと思います。学校は社会の縮図と言われますが、子どもたちの主体性をなるべく尊重しながら、自分で考えて行動する子どもを育てていくことが、将来の地域社会を背負っていく人づくりにつながるのではと私は考えています。
学校という集団生活で楽しく過ごすためのルールやマナーについて、子どもたちに気づいてほしいことが3つあります。子どもが気づかなければ教師が教えることもあります。この3つのことは社会生活につながるものであり、言い換えるならば、この3つのこと以外は学校では自由で良いと考えます。
1つ目は「迷惑をかけない」こと
2つ目は「学習を妨げない」こと
3つ目は「危険を与えない」こと です。
たとえば服装です。本校では登校時の服装は自由なので、子どもたちは自分らしく自由な服装で過ごしています。何を着るかは子どもの自由であり権利です。どんな服装であっても、人に迷惑をかけず安全に過ごせるものであれば自由で良いと考えています。
持ち物も同じです。初めから「これは持ってきて良い。これは禁止。」と学校から細かく指示をせず、本人や友達の学習の妨げになるものや刃物など危険なもの以外であれば、持ち物は子ども自身が考えて持ってきて良いものと思っています。
廊下の歩き方について、以前本校では廊下を走る子どもが目立ちました。すると、児童会の子どもたちが代表委員会で話し合ったり、廊下の正しい歩き方を呼びかけるポスターを校舎内に掲示したりしてくれました。手作りのポスターには「友達に迷惑がかかるから歩こう」などと子どもの視点からの強いメッセージ性があり、今では安全に正しく歩行することが当たり前の学校になりました。教師サイドからの指導でなく、児童会の子どもが学校全体の課題として認識し、改善に向けて全校に呼びかけてくれたことが、学校を良い方向へ導いてくれました。とてもすばらしい実践であったと思っています。
学校によっては運動場に水たまりがあると、教師が「今日は水たまりがあるので遊ばないように」と放送して使用を禁止しますが、私は子ども自身が考えて判断すれば良いことととらえています。子どもが運動場の状況を見て水たまりの無いところで遊んでも良いし、服が汚れたら困ると思えば遊ばなくても良いし、一度運動場に出てはみたものの「すべってけがをしそうだから校舎に戻ろう」と判断する子どもがいても良いと思っています。むしろ「遊べるところを探して遊ぼう」という子どもは頼もしく、将来大物になるのではと楽しみです。教師の指示でなく、子ども自身が考えて判断する機会は、子どもが成長するすばらしいチャンスです。熱中症指数が危険レベルに達したときなどは教師主導で屋外での活動を止めますが、基本的に昼休みなどの自由な時間は、子どもが自分で考えて行動できるようにしたいものです。
本校の子どもたちは自由でのびのびと活動しています。時には、友達同士でトラブルが発生したり、悪い行いをして教師に叱られたりしていますが、全体としてはどの学年も落ち着いて生活をしています。どの子どもたちも毎日の学校生活を通して、成功や失敗などを重ねながら、将来社会で自立していく“大人になる準備”をしています。
新島小は、全ての教職員が全ての子どもたちの成長に関わる学校です。これからも自由な雰囲気の中で、子ども一人一人の豊かな向上心を大切にしながら指導にあたっていきます。本校教育のスタンスをご理解ください。