校長日記

校長日記

子どもたちに、美味しくて栄養たっぷりの教育を

 私は“小学校教育は人づくり”と考えています。そして、その大事な責務を果たすために、教職員は質の高い教育を子どもたちに提供できるよう日々努力しています。

 「学校は定食屋さん」というユニークな言い方をする教育関係者がいますが、私も同じ考えです。子ども一人一人が将来大人として自立していくために、自校の教育活動の中で、どんな美味しいものや栄養価の高いものを提供していけばよいかといつも考えているからです。学校の教育活動として、美味しいものが「楽しい学校生活」で、栄養価の高いものが「子どもを伸ばす質の高い教育」です。6年間の小学校課程の中で、美味しくて、栄養たっぷりで、豊富なメニューの定食を子どもたちにたくさん提供することが、いずれは地域社会を支える人づくりにつながるという教育観です。

 

 本校では、美味しくて栄養たっぷりの定食を、毎日メニューを変えて、子どもたちに提供しています。

 授業は主食のごはんです。美味しいお米を食べて、子どもたちが「学ぶことが楽しい」と思えるよう、楽しい授業づくりに向けて工夫しています。楽しい授業で培われる学習意欲は生きる力の基盤となるため、どの授業でも子どもの意欲を大切にするようにしています。

 また、おかずには、肉や魚など栄養価の高いものを多く盛り込み、子どもたちの知識や思考力、技能などを育てています。いろいろな教科指導を通して、楽しく(=美味しくて)、質の高い(=栄養のある)授業が進められるよう、研修を重ねながら授業の質を高めています。

 朝の会や業間活動、給食、昼休み、たてわり清掃などは、サラダや煮物などで、バランスの良い人間性の育成に欠かせないものです。子どもたちは毎日の集団生活の中で、人とかかわることの大切さや社会性を学んでいます。

 学校行事などの教育活動は、味噌汁や漬け物、飲み物やデザートで、学校生活に潤いを与えています。入学式や卒業式などの儀式的行事、運動会やマラソン大会などの体育的行事、児童会主体の音楽集会、遠足や宿泊学習、修学旅行など、学校では時季に応じた様々な味のメニューを提供して、子どもの豊かな心を育てています。

 

 「どうして学校へ行くの?」と聞かれたら、学校は子どもの成長に必要な様々なメニューを提供できる「定食屋さん」だからと答えるようにしています。学校に行けば、美味しくて栄養たっぷりの定食が食べられるのですから、毎日登校して学校生活を送ること自体がすばらしい学びの場となります。私は子どもたちに、「学校は大人になる準備をするところだよ」と話すことがありますが、本校の子どもたちを見ていると、学校生活を通して社会で生きていく力が確実に身に付いてきていることを感じ、とてもうれしい気持ちになります。

 本校ではこれからも、美味しくて、栄養たっぷりの教育を、育ち盛りの子どもたちに提供できるようがんばっていきます。