校長日記

校長日記

おかげさまで、すばらしい運動会になりました。

 5月24日(土)に運動会を行いました。私は校長として、運動会は教育活動のなかで教育的意義が非常に高いと捉えており、学校経営で最も重きを置いている学校行事です。教職員も「子ども主体の運動会」を目指し、みんなで知恵をしぼりながら準備を進めてきましたが、元気いっぱいに活躍する子どもたちの姿と、その子どもたちを温かく応援してくださる保護者・家族の皆様や地域の方々の様子を見て、とてもすばらしい運動会になったことを実感しています。特別に土曜日に行わせていただいた行事でしたが、たくさんの皆様のご理解・ご協力に深く感謝しております。

  時代の流れとともに学校の教育活動は形を変えていきますが、運動会の在り方も全国の学校で様々な新しい取組が試みられています。運動会の名称、目的、実施時期(春か秋か)、期日(土日か平日か)、日程(午前か終日か)、内容(赤組白組の対抗か、種目数)など、学校の選択肢は様々ですが、私は「自校の子どもの成長にとってどんな形がベストか」という視点で決定するようにしています。言い換えるならば、正解となる運動会の形は無く、校長の学校経営における運動会の位置付けや学校の実情によって、運動会の在り方は変わってきてよいものと考えています。そして、“新島小の子どもたちにとってベスト”と考えたものが、今回のような形での運動会です。

  本校は今年度も、子どもが活躍する場をなるべく多く組み入れました。また、種目内容は個人で競うものと団体で競うもの、家族や来賓・高齢者の方と一緒に楽しめるもの、華やかなダンスや応援合戦など、子ども一人一人が運動会を通してたくさんの楽しさを体験し、十分に充実感や達成感がもてるようにしたいと考えました。さらには、熱中症の予防を考慮しながらの運営、スクールバスの円滑な運行、安全な登下校の仕方、保護者や地域の方々が参観しやすい会場設営、効率的な準備や後始末、雨天時の対応なども踏まえながら、総合的に計画・実施しました。

  運動会後には、多くの保護者や地域の方々から、運動会の成果や子どもたちの成長などについてたくさんのお褒めの言葉をいただきました。子どもたちの活躍が、参観しているたくさんの人に元気と感動を与えてくれたようです。

 また、運動会後の職員室は、「〇〇さんがよくがんばった!」「〇〇さんのご家族がとても喜んでいた!」など職員の会話で大盛り上がり。運動会での場面を一つ一つ振り返りながら、子どもたちの努力や活躍ぶりを笑顔で話す職員の姿がとても印象的でした。私たち職員も、子どもたちの努力や成長の様子を感じ、「大変だったけれど、がんばって良かった!」という喜びや達成感を味わいました。子どもたちはもちろん、保護者や地域の皆様のご協力のおかげです。本当にありがとうございました。

 日頃から本校は「地域に愛されるあたたかい学校」を目指していますが、たくさんの方々が本校の教育活動を見守り、子どもたちの成長を支えてくださっていることを、改めて感じています。

 子ども一人一人の確かな成長と、地域社会における学校の役割の大きさを感じたすばらしい運動会でした。これからも子どもたちのために、職員一同、がんばっていきます。

 

一人一人が安心して学べる子ども主体の学校に

 満開の桜が咲く中、令和7年度がスタートしました。

 春休み中の交通事故や水の事故もなく、全校児童がそろって元気に新学期を迎えることができたことを、とてもうれしく思います。

 

 先日、小見川のいぶき館で「夢みる校長先生」という映画を観る機会がありました。全国各地の公立小中学校の校長が、子どもファーストな学校づくりを目指して取り組んでいる姿を集めた作品で、とても心地よい刺激をいただきました。どの学校の子どもたちも生き生きと活動していたことが最も印象的で、新島小の子どもたちのことを思い浮かべながら鑑賞させていただきました。

 映画に登場した各校長の経営方針やリーダー性、学校の特色や取組等はそれぞれです。しかし、子どもファーストな学校づくりを目指す校長の考えや前例にとらわれない行動力が、子どもたちの表情や成長に結びついていることは共通していました。私も新島小の校長として、私なりのやり方で、子ども主体の楽しい学校を目指しがんばっていきたいと思います。

 

 本校は昨年度から学校教育目標を「自分の良さや成長を実感できる子どもの育成」とし、より子ども主体の学校づくりを目指すこととしています。また、教職員は「子どもの多様性を理解し、一人一人の良さや可能性を引き出す」ことを共通の目的とし、力を合わせて子ども主体の教育活動を進めるよう努めています。

 本校の教育方針が、学級・学校全体を引き上げていくことから、学校での様々な集団生活を通して、一人一人の子どもと向き合い、それぞれの良さや成長を認めながら、可能性を引き出していく視点にシフトしている形です。

 私は、学校は社会の縮図であり、学校教育の役割は“人づくり”をすることと捉えています。教科等の授業や学校行事はもちろんですが、朝の登校から始まり、給食やたてわり掃除、自由に遊ぶことなどを通して、子どもたちは友達や上下学年、教職員などと関わります。そして、その全ての教育活動が子どもたちの様々な体験や学びとなり、いずれは社会で自立していく力につながると考えています。

 子どもたちに「学校は、大人になる準備をするところだよ。」と話をしたり、保護者の方には「お子さんをなるべく学校に登校させてくださいね。」とお願いしたりしますが、それは、学校での集団生活で培う力が、将来の社会をたくましく生きていく力になると信じているからです。

 

 厚生労働省と警察庁の発表によると、昨年の小中高生の自殺者数は529人で、過去最多となりました。原因・動機は、学業不振や友達との不和などの「学校問題」が最も多いとのことです。私は教育界の最重要課題と捉えています。

 また、不登校の子どもの数も、全国で歯止めがかからない状況が続いています。どの子どもにも「自分を高めたい。学びたい。」という向上心がありますが、学校の現状としては、すべての子どもの期待やニーズに応えられていない表れであると感じています。

 これらのことは学校教育全体の課題ですが、私は目の前の新島小の子ども一人一人と向き合いながら、子ども主体の学校にするために、これからも全力を注ぎたいと思います。

 

 今年度の新島小の子どもたちは87名。一人一人が”地域の宝”です。全ての子どもたちが安心して楽しく学べる学校づくりに向けて、職員で知恵をしぼりながらがんばっていきます。

 前年度と同様、保護者や地域の皆様の本校教育に対するご理解・ご協力をお願いいたします。

卒業証書授与式に込めた思い

 3月18日(火)に卒業証書授与式を行いました。たくさんのご来賓・保護者・在校生そして職員に見送られながら、卒業生23名が母校を巣立ちました。

 学校ではこれまでに様々な行事を行ってきましたが、やはり卒業式は特別です。本校は日頃から上学年と下学年の児童相互の心の絆が強い学校ですが、全校での校歌斉唱や、卒業生と在校生それぞれからの「お別れの言葉」や「お別れの歌」がとても素晴らしく、圧巻で感動的でした。式典を通して卒業生は卒業の喜びを味わい、在校生はこれまでの練習の成果を発揮した達成感と、厳粛な雰囲気で静かに流れていく卒業式の素晴らしさを体感することができたことと思います。

 

 職員も卒業式に向けて、指導や準備に力を入れてきました。「今年度は呼びかけをやろう」という話が職員間で持ち上がり、在校生の呼びかけは担当が言葉を一から考え、卒業生の呼びかけは卒業生が自分たちで言葉を考えて作り上げました。歌は「どんな歌にしようか」と担当が児童の意向を聞きながら曲目を決め、在校生は二部合唱にもチャレンジしました。

 また、保護者控室を図書室に設置し、式典前には職員が作成した映像を保護者の方に観ていただきました。1年生の頃からの写真をふんだんに使用した担当手作りの映像で、6年間の成長を改めて感じていただけたかと思います。

 他にも、卒業生の呼びかけや歌で一人一人の顔が見えるよう「ひな壇」を作成したり、教室や廊下等の掲示や飾り付けを工夫したり、体育館や控室を花でいっぱいにしたりと、職員みんなでアイディアを出し合いながらがんばって準備を進めました。

 式典の1週間前には、数名の卒業生や職員等が新型コロナに感染するピンチを迎えましたが、臨時休校の緊急対応をさせていただいたり、登校を再開しても式典練習を中止したりして、感染の広がりを食い止めることを最優先して対処しました。卒業生がそろったのは卒業式の前日でしたが、6年担任が児童一人一人の気持ちに寄り添いながら親身になって対応してくれました。

 

 全職員が一丸となって卒業式に臨むことができたのは、職員一人一人に「卒業生のために」という強い思いがあったからです。私たちの仕事は子どもたちに愛情を注ぐことですが、その注ぎ方は様々であり、その一つの形が今回の卒業式であったと思います。私にとっても卒業生とは1年間のかかわりでしたが、素晴らしい子どもたちと出会い、一生忘れられない最高に楽しい1年間となりました。

 これまでの指導を含め、至らない点も多々あったと思いますが、保護者の皆様には6年間にわたる本校教育へのご理解・ご協力をいただき、深く感謝申し上げます。

 卒業生23名の今後のご活躍を、心よりお祈りしています。

学年を越えた心の絆

 本校教育の特色の一つに、「学年を越えた心の絆」が挙げられます。小規模校の利点を活かし、高学年の子どもたちは、たてわりでの遊びや清掃、地区別の集団登校などで、下級生をリードしています。また、下級生は先輩の思いやりや温かさを感じながら、協力性や社会性を学んでいます。上級生と下級生が様々な場面でかかわる活動の積み重ねが、新島の子どもたちの素直で誠実な心に響き、学年を越えた強い絆を育んでいます。

  1月には業間活動で、8つのたてわりグループに分かれて長なわを行いました。どのグループでも上級生が下級生に跳び方を優しく教える微笑ましい姿が目立ち、学校じゅうが温かい雰囲気に包まれました。

 2月からは、卒業を控えた6年生が下級生の教室へ行って、給食を一緒に食べています。学校のリーダーとして活躍している6年生が、下級生と互いの心を通わせながら楽しく食事をする姿がとても印象的で、一人一人の心の成長を育む良い機会となっています。

 3月には、ポプラの苗木を全校児童で植える計画を立てています。ポプラは校歌に歌われている「新島小のシンボル」ですが、現在グラウンドにある4本の大木がかなり古くなっているため、6年生が卒業する前に全校児童で新しい苗を植樹したいと考えています。子どもたちの心の絆がさらに深まり、小学校での思い出に残る活動になればと期待しています。

  学校ではまとめの時期を迎えましたが、新島小の子どもたちは、年明けから驚くほどの成長を見せてくれています。特に、卒業や進級への準備を進めるこれからの時期は、子どもの豊かな心を育てる良い機会です。

 学年を越えた強い心の絆で結ばれている新島の子どもたちに、これからどのような教育活動を展開していくか、年度末は学校の力の見せどころです。このチャンスに、職員で知恵をしぼりながら、子ども一人一人の心に響く教育を充実させていきます。

新しい年がスタートしました。職員一同、新たな気持ちでがんばります!

 冬休みが終わり、元気な子どもたちが学校に戻ってきました。心配していた年末年始の事故もなく、全校児童がそろって新年を迎えることができたことは、とてもうれしいことです。

  私はお正月の1月2日に学校の見回りをしました。そして、今年も子どもたちの成長を見守り支えてくれる新島小の校舎に3つのお願いをしました。

 一つ目は、「子どもたちが交通事故や水の事故にあいませんように。97人の子どもたちの大切な命を守ってください。」ということです。

 二つ目は、「子どもたちが仲良く学校生活を送れますように。子どもと教職員が健康で楽しく過ごせますように。」ということです。

 三つ目は、「日本じゅう・世界じゅうから災害や戦争が無くなりますように。安全で平和な世の中になりますように。」ということです。

 

 1月6日(月)の登校再開日には、これらの願いを全校児童にも話しました。

 どの子も「新しい年にがんばろう!」という希望をもって登校しています。子ども一人一人の期待にしっかりと応えられるよう、今年も子どもたちの健やかな成長に向けて、職員一同、精一杯努力してまいります。

 本校教育に対する皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。