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充実した水泳学習になりました。
猛暑や豪雨など天候が不安定な日が続きましたが、おかげさまで全ての学年で計6回(12時間)の水泳学習を行うことができました。
水泳の授業では子どもが命を失う大きな事故が発生するおそれがあるため、職員は安全指導・安全管理に細心の注意を払いながら学習を進めます。そのようななかで、事故もなく予定された回数を実施することができ、どの職員もほっとしています。
学校で水泳学習を行う目的は二つあると考えています。
一つは、子どもの泳力を高めることです。水泳は、子ども一人一人がめあてを達成したり、達成に向けて練習に取り組んだりすることが楽しい運動です。本校でも一人一人がめあてをもち、自分の泳力を伸ばせるような練習を中心に授業を進めるようにしました。
もう一つの目的は、子どもが水の危険から大切な命を守る方法を学ぶことです。これは自分自身だけでなく、周りの人の命を救うためにも重要な学習です。授業ではプールでの約束ごとを毎時間確認しながら、全ての子どもが安全に注意して学習に取り組むことができました。また、7月8日には全学年を対象に着衣水泳を行い、水の危険を予測して行動することの重要性や、着衣のまま水に落ちた場合の対処法などについて学びました。
本校では水泳学習を充実させる手立てを講じています。
国の学習指導要領に基づいて、一般的に小学校では水泳学習を10時間程度位置づけることが多いのですが、本校では水泳の授業時間数を意図的に増やして実施しました。
一つの要因としては、新島地区にはたくさんの河川や水路があり、本校の子どもは他校の子どもと比べ、水の事故のリスクが高いと考えるからです。日頃から水泳学習以外でも、職員が共通認識をもち、水の事故防止に向けて指導に力を注いでいます。
その他にも、コロナ禍で水泳学習が中止になった子どもたちの泳力をより高めたいという職員の特別な思いがあることです。わずかな指導時間の増ですが、目の前で水泳学習に意欲的に取り組む子どもたちを見て、「できる限りのことをしたい」という職員の思いが、授業時間の増という形として表れています。
また、現在、全国の学校で水泳学習の課題が浮き彫りになっていますが、本校では様々な工夫をしながら水泳学習を継続しています。
学校プールの老朽化などを理由に、水泳学習ができない学校が全国で増えているようですが、幸いなことに本校のプールはまだ十分に使用できます。昭和54年に竣工されたプールで、補修や塗装等を重ねながら現在に至っていますが、まだまだ使用できそうな立派なプールです。
熱中症防止の観点から水泳を中止にする学校もあるようですが、本校では子どもがプールに水筒を持参して、水分補給をしながら活動しています。また、天候の状況をみて1校時目から水泳学習を行うなど、柔軟に授業を組み替えて、授業時間を確保するようにしています。
施設を管理する教員の負担についても報じられていますが、体育主任以外の教員を水泳指導のリーダーに位置づけ、5月の運動会と6月からの水泳学習に係る業務が同じ職員に重ならないよう校内体制を工夫しています。
さらには、水泳学習中の事故を防ぐために、今年度は新たに保護者の方にボランティアを募り、監視をお願いしました。計13名の方が手を挙げていただき、プールサイドで子どもたちの安全を見守ってくださいました。大人の目が増えたおかげで、私たち職員も安心して指導にあたることができました。暑い中でしたがご協力をいただき、職員一同、心より感謝しております。
今回の水泳学習を通じて子どもたちが大きく成長したことを感じています。保護者の皆様には、家庭での検温と健康観察、プールカードの記入や水着の準備等でご協力をいただき、ありがとうございました。
本校ではこれからも子どもたちの学ぶ意欲を大切にしながら、教育活動を進めていきます。引き続きのご協力をお願いいたします。