校長日記

最後までがんばる姿に感動! 校内マラソン大会

 11月30日(土)に校内マラソン大会を行いました。当日は雲ひとつ無い晴天のもと、たくさんの保護者や家族の方々が応援に駆けつけてくださりました。子どもたちがラストスパートをかける沿道からグラウンドへ入る花道で、周りからの熱い応援が一人一人の背中を押してくれました。まるで箱根駅伝のような歓声が会場に沸き立ち、大会はとても盛り上がりました。

 マラソンコースの安全確保のためにご協力いただいた香取警察署や交通安全協会の方々、PTA校外指導委員の皆様には、深く感謝申し上げます。また、保護者の皆様には、10月からの業間マラソンへの取組やお子様の体調管理にご協力をいただき、ありがとうございました。

 

 子どもの視点で考えると、マラソン大会はなかなか悩ましい行事です。学校は子どもの意欲を大切にしながら教育活動を進めていきますが、全ての子どもがマラソン大会を楽しみにしているわけではありません。マラソンはそもそも苦しくてつらいスポーツであり、同学年で競い合えば、速い子も遅い子も出てきます。マラソン大会には明らかに、他の教育活動とは異なった子どもからみたマイナス面の特性があります。    

 今回も本番が近づくにつれ、「校長先生、大会やりたくないよ~」と子どもたちは本音をぶつぶつと言ってきました。私はそのたびに心苦しい気持ちになりますが、何とかマイナス面をプラス面に変える作戦を立て、大会後には全ての子どもが達成感を味わえるようにしたいと考えて当日を迎えました。

 

 一つ目の作戦は、マラソン大会で目指すべき方向性を子どもに伝えてきたことです。

 大会の数日前から、全校の子どもたちに「大会では自分の目標をもって走ろう」ということ、そして「目標はそれぞれ違うこと」や「人は目標があるとがんばれる」と呼びかけてきました。順位に縛られるのでなく、各自の目標を達成することに目を向けるようにしました。

 また、開会式では「今日は最後までがんばることが大切」と話しました。「目標をもつこと」や「最後までがんばること」は、全ての子どもが達成できるゴールだからです。

 

 二つ目の作戦は、子ども一人一人の努力や取組を評価するようにしてきたことです。

 子どもたちには、業間マラソンに休まず参加したり、苦しくても逃げずに大会へ出場できたりしたことを大いに褒めています。一人一人の努力を評価し、次への意欲につなげることに、教育的意義があると考えています。

 

 社会生活が便利になり、子どもが育つ日常生活には、厳しさや困難さを経験する機会が減ってきています。また、学校のスポーツ活動も、時代の流れとともに、以前のような根性第一の考え方でなく、児童の主体性や自主性を尊重するようになっています。

 「昔と比べて、今の子どもたちは…」という話をよく耳にしますが、今回のマラソン大会を通して、新島小の子どもたちには、以前と変わらないたくましさや強さがあることを感じました。マラソン大会の目的ややり方は社会の変化と共に変わりますが、今回のような貴重な経験をすることも、未来を切り開いていくための子どもたちの生きる力になってくれることと信じています。

  マラソン大会で苦難から逃げずに懸命に走り抜いた子どもたちは、誰もが100点満点です。そして最後までがんばった子どもたちのことを、校長として誇りに思います。これからも子どもの意欲を大切にしながら、一人一人の成長をしっかりと見守っていきます。