磁石のふしぎ


 3年生は今,理科で磁石の学習をしています。学校では黒板に紙をとめるのに使うなど,子どもたちは磁石を身近に使っています。でも,磁石がどんな物を引きつけて,どんな物を引きつけないのか,実はあまり意識していません。
 教卓の上に用意した,「電気が流れる物,流れない物」のときとよく似た実験の用意が目に入ったのでしょう。(これは先生の作戦です。)子どもたちは直感で「磁石は電気のときと同じで金属を引きつけるのでは!」と思ったようです。(よしよし,作戦通り!)
 先生がコンクリートの壁や机の木の部分に磁石を近づけても引きつけられません。子どもたちは「当たり前だよ,先生!」と言いたげな様子。そこで窓のサッシに磁石を近づけてみます。「今度はきっとくっつくぞ!」と子どもたちの期待が高まります。ところが! 磁石はサッシを引きつけません。
 その瞬間,子どもたちの頭の上にとか,とかのマークが浮かびます。(先生の目には見えます。) 子どもたちは自分の思い込みが打ち破られた驚きで,知的好奇心が強く刺激されたようです。
 いろいろな物を磁石に近づける実験を通して,「塗装をしているスチール缶も引きつけられるぞ。(電気とちがう!)」,「金属でも引きつけられないものがあるよ。」と次々に自分で「発見」していきます。 磁石に釘を近づけていた女の子が「棒磁石の横にはつかないんだな。不思議!」とつぶやいています。
 理科は,調べれば調べるほど,新しい疑問や不思議なことに出会います。子どもたちの興味・関心を高めつつ,それが科学的な思考やものの見方につながっていくよう,指導していきたいと考えています。