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校長からのメッセージ
校長のことばコラム7 言葉の変化(4)敬語はインフレする!
前回は「殿」・「君」などの例をあげて、敬語は時代が経つに従って徐々に敬意が失われていくという話をしました。実はそれ以上の言葉があります。今回はその言葉について伝えたいと思います。
さて、皆さんは「きさま」と呼びかけられたら、いい気持ちはしますか?
ほとんどの方は嫌な気持ちになるでしょうし、人によっては怒り出すかもしれません。
……でも、ちょっと待ってください。「きさま」は「貴様」ですよね?
漢字だけ見たら「貴(族)様」=「貴い御方」ですよ!?
この「貴様」。文字面から見るに、おそらく、元来は敬語だったはずです。それが、なぜ今では一種の罵倒語になってしまったのでしょうか?
調べてみますと、「貴様」も最初は敬語として使われていたようなのですが、どうやら近代に入った時点では、かなり敬意が薄れてしまっていたらしい、ということが分かりました。これは「殿」や「君」と同様ですね。
実際、戦前に作られた「同期の桜」という軍歌の歌詞にも「貴様」が登場するのですが、どう聞いても「貴様」は「同輩」の意味で使われています。
でも、その後の経緯は、調べたのですが、詳しくは分かりませんでした。
で、ここからは私の推測です。
さっきの「軍歌」というのがポイントになるんじゃないかと。
調べていくうちに分かったのですが、どうやら「貴様」は軍隊で多く使われていたらしく、軍内における一般的な二人称代名詞(You・あなた)になっていたようなのです。
二人称は色々な場面で使います。友人にも使いますが、部下にも使いますよね?
部下に対する訓示をするとき「貴様ら!」
部下を殴るとき「貴様!歯を食いしばれ!!」
とやっているうちに、罵倒語の仲間入りをしてしまっていた、ということではないかな?と。
こんな感じで、敬語って他の言葉と比べても、かなり意味合いが変化する確率が大きいです。しかも、使われていくうちにどんどん敬意が薄れ、他の言葉に取って代わられていくという特徴があります。
もしかすると、100年後の人が、今の私たちが話す敬語を聞いたら、「ものすごい悪口を言い合ってる!」って感じるのかもしれません。
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