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校長からのメッセージ
校長のことばコラム2 『じ』と『ぢ』、『ず』と『づ』の使い分け(2)
前回の『ことばコラム』は『稲妻』のふりがなについてお話ししました。そうすると、他の言葉の『じ』と『ぢ』の使い分けはどうなのか気になりませんか?
今日は、そのあたりについてお話したいと思います。
まず、結論から言うと、『じ』『ず』の使用が基本で、『ぢ』『づ』は例外扱いとなっています。
これは、前回も触れた、昭和61年内閣告示の『現代仮名遣い』で、もとの漢字の音がはっきりしているものについては『ぢ』『づ』の使用を認めるものの、基本的には『じ』『ず』を用いるように、との定めがあるからです。
例えば『築く(きず-く)』は『築山(つきやま)』などの熟語から判断するに、元々の仮名は『きづく』であったはずですが、現在ではそれは認められておりません。
※『気付く(きづ-く)』と判別する意味もあるかもしれません。
「じゃあ、『地面』や『地震』だって『ぢめん』や『ぢしん』でもいいのでは?」と思った方。
残念ながら、こちらは『じ』が正しいようです。
なぜでしょうか?
『地』については、『ち』が濁音化して『ぢ』になったわけではなく、実は、もともと『じ』だったから、というのが、その理由です。
どういうことかと申しますと、日本で用いている漢字の音読みには、『呉音』、『漢音』、『唐音』という3種類があります。『京』を『きょう(呉)・けい(漢)・きん(唐)』と読み分けているアレです。
これは、日本が中国から漢字を導入したとき、導入した地域や時代が違っていたためです。
古墳時代頃になりますが、日本の大和朝廷は、中国の長江流域にあった『南朝』と言われる政権と親交を結んでいました。この時代に本格的に漢字を導入します。これが『呉音』です。ところが、日本が親しかった南朝の政権は、華北を統一した隋に滅ぼされてしまいます。慌てて隋の文化を導入しようとすると「言葉が違う!?」となりました。これが『漢音』です。
ここで全部切り替えてしまえば良かったのですが、かなり使われるようになっていた『呉音』を捨てる難しい、と並行して使用していたら、そのまま定着してしまった。そんなわけです。
ちなみに、残った『唐音』は、中国で時代とともに変化していった発音を取り入れたものとなります。
で、『地』はどうなのかと言いますと、『ち』は、長安(※西安)付近で使われていた『漢音』で、『じ』は南京付近で使われていた『呉音』なんだそうです。
ややこしい話ですが、こんな訳で『地面』のふりがなは『じめん』なのです。
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