日誌

デフ陸上アスリート講演会

 3月13日(木)午後からデフ陸上アスリートの田井小百合さんをお招きして講演会を開催。1,2年生に加えて卒業生有志も参加しました。田井さんは白井市出身。中学3年時に100mハードルで全国大会優勝、その後も国内トップレベルの選手として活躍。30歳の時に耳の病気により聴力が低下。その後デフリンピックを知りデフ陸上へ転向しました。デフとは耳が聞こえないという意味で、デフリンピックは4年に一度デフアスリートを対象とした国際総合スポーツ競技大会です。田井さんはデフリンピックに100mハードルで3度出場し、世界トップレベルのデフハードラーとして活躍してきました。今年の11月には日本で初めてデフリンピックが開催されます。田井さんは現在は棒高跳へ種目変更し、東京2025デフリンピック出場とメダル獲得を目指しています。

 講演会では田井さん本人の小学校5年時のハードルの大会や棒高跳の競技動画を交えながら、デフリンピックや本人の競技について説明をしていただきました。後半は陸上教室。大会で使われる手話を教えていただいたり、棒高跳のポールの持ち方などを実演し、実際に生徒が構えたりと体験時間となりました。デフアスリート用のスタートランプを実際に使い、生徒全員がスタート練習をし、デフアスリートの感覚を学びました。続いて手話通訳者を交えての質疑応答。ハードルから棒高跳に転向した経緯やデフアスリートとして大会に出場するときの大変さ、ハードルの恐怖心や大会での緊張感・プレッシャーに打ち勝つ方法などなど生徒からはいろいろ質問が出ました。田井さんからは丁寧に一つ一つお答えいただき、実技指導では具体的な動きなども示していただきました。田井さんの回答の中で印象的だった1つは、プレッシャーを克服する方法。緊張してプレッシャーに負けそうになったときは、空を見上げてみること。空の果てしなさから自分自身を振り返り落ち着かせる心もちを教えていただきました。

 生徒代表お礼の言葉では、ハードル選手として活躍していた中、耳が聞こえなくなる不遇にも負けず努力している田井さんの姿から学んだこと、自身が同じ境遇になったとしても目標を失わず頑張っていきたいと強い思いを発表しました。

 本講演会開催にあたり、本校学校評議員の鎌形さま、一般社団法人日本デフ陸上競技協会の山岸さま、和田さま、三坂さまにご支援ご協力いただきましたことに感謝申し上げます。