日誌

ロボットとくらす未来を考える香中生

 9月9日(火)重陽(ちょうよう)の節句。菊の節句とも言われ、菊の花を用いて無病息災などを願う日だそうです。香取中の線路側通用門フェンスには、昨年の3年生が植えた菊がすくすく成長しています。

 さて、本校では『学びの成果が実感できる学校づくり』を推し進めています。その一環として、午後から千葉工業大学の出張出前授業を実施。講師として千葉工業大学未来ロボット技術センター室長 先川原正浩さま、総合工学研究会の学生のみなさまをお迎えしました。まずは総合工学研究会のみなさんが自作のロボットを披露。その後実際に生徒がコントローラーを使ってロボットを操作。学生さんの補助のもと、ゲームで鍛えた操作力で生徒は障害物を倒したり他のロボットと格闘するなど、一気にロボットとくらす世界に没入。説明書を見たり、教えてもらったりするより、実際に自分で動かして試行錯誤することでロボット操作を学びました。操作する生徒の目の輝き、それを見ながら一緒に楽しむ生徒の笑顔。技術や理科で学んでいることが、「ロボット」を介してリアルな世界に生かしている姿はなんとも頼もしい限りです。学生さん達によるロボット格闘技戦を見た後、先川原先生からは、人型(ヒューマノイド)ロボットの変遷や生活に役立つ乗り物や災害時ロボット、ロボット格闘技大会ROBO-ONEなど、たくさんの動画を用意していただきました。先川原先生のお話をお聞きしながら生徒は『ロボットとくらす未来』について理解を深めました。生徒からはロボットを作る上での難しさや制作時間、プログラミング、紹介されたロボットの価格などたくさんの質問が出ました。それはこの授業をとおしてたくさん「考え」たからだと思います。先川原先生にはひとつひとつ丁寧にお答えいただきました。この授業をとおして沸き起こった疑問、モヤモヤ、わからなさは、すぐ答えを出そうとせず、それをもちつづけ考え続けていってくれたらと願っています。先川原先生が最後に生徒に送ったメッセージが印象的でした。それは「ネットの情報は大事だが、ネットの情報にだまされない」「ネット情報を鵜呑みにしない」ということでした。

 私たちが見ているSNSはみな同じ情報とは限らず、見る人の興味関心にそった情報が優先的に表示される仕組になっています。ですから情報に偏りが出てくることになったり、見方・考え方が狭くなる恐れがあります。それは心豊かではなく、ぎすぎすした世界になってしまうかもしれません。ロボットともにくらす未来が「共生」ではなく「強制」とならない世界をつくっていくのは「誰か?」ではなく、未来をつくる「わたしたち」でありたいですね。

 当日会場には千葉工業大学OBであり元同窓会長、現監事の坂本洋さまにもお越しいただきました。また、本出張出前授業を実現していただきました香取市教育委員会さまには感謝申し上げます。当日の様子は朝日新聞社からも取材に来ていただきました。あらためて、千葉工業大学の先川原先生、総合工学研究会のみなさま他大学関係者のみなさまに感謝の気持ちを込めお礼申し上げます。ありがとうございました。

※千葉工業大学 研究センターHP https://chibatech.jp/about/laboratory/

※ROBO-ONE 二足歩行ロボットエンターテインメント https://www.robo-one.com/