日誌

3年生対象「思春期講演会」

 7月12日(火)午後1時20分から、助産師の川島広江先生を講師にお迎えして「大人になる 自立、自律を考える」と題してお話をお伺いしました。講演は、いのちの誕生から思春期の特性、虐待、自分らしさ、ジェンダーなどと多岐にわたる内容で、川島先生からの言葉ひとつひとつに、いのちを守る思いがこめられ、一言一句聞き漏らすまいと、きっと生徒たちは思ったはずです。

 まずはいのちの誕生から。新生児がなぜ「赤ちゃん」と呼ばれるのか。血液が頭やからだに十分循環している健康なサインが、赤い赤ちゃん。母体が無理なダイエットやたばこ等により影響を受けていると、そのサインが必ずしも確かめられないことを知りました。また、思春期の自立の第一歩は、自分の思いや考えを積極的に言葉で伝えることができること。一方で、思春期の自律の第一歩は、対等なコミュニケーションをとれること、それは互いの違いを認められることと話されました。講演の中で、マザーテレサの感動的な言葉に触れていましたので、ここで紹介します。それは「言葉の力」についてです。

 思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

 私たちは、頭の中で言葉で考え、言葉にしてコミュニケーションをとっています。「言葉はまるごとその人」なんだと、講演をお聴きして、そんな考えが頭に浮かびました。

 ちなみに、講演の中で川島先生に「深呼吸して!」と言われたとき、みな思いっきり吸い始めましたが、欧米では、その逆で、息を吐いて気持ちを落ち着かせるそうです。日本では「がんばれ!」と言いますが、欧米では「Take it easy! (気を楽にして)」というのと似ていますね。深呼吸は集中力を高めることができるそうで、授業前が効果的だそうです。みなさんも試してみませんか。

※こぼれ話 川島先生に名刺をいただいた際、肩書に助産師とあり、かっこづけで「Midwife」と英語で書かれていました。調べると、Midは「共に寄り添う」という意味で、wifeは妻という意味ではなく「女性」とありました。助産師さんは、いのちの誕生に共に寄り添う女性という意味なんですね。英語のMidwifeの歴史は古く14世紀ころから辞書に登場しているようです。日本では昔「産婆」さんと言われていましたが、そのことばは江戸時代にさかのぼるようです。