校長日誌

保護者のみなさんのご協力に支えられて

 

 子どもへのよりよい教育を進めるために、学校と保護者との連携は不可欠です。ただ、学校は集団生活なので児童間にトラブルが起きますし、教職員の指導や対応が不十分な時は、保護者の方にご心配をかけてしまうこともあります。しかしながら、どんなケースであっても、学校と保護者が連携して教育活動を進めないと、子どもの教育は良い方向に進んでいきません。

 中央小では、学校から保護者の方へのお願いや情報発信を、配付文書や学校公開、ホームページ、一斉メールなどにより行っています。また、学級集会や個別面談での話し合いを指導に活かしたり、学校評価アンケ―トの結果を教育活動に反映させたりしています。ただ、校長としては、学校から保護者の方へのアプローチは十分ではないと考えています。

 学校のその不十分な点を補っていただいているのが、本校の保護者のみなさんによる学校へのご協力です。そして、そのご協力が本校教育をしっかりと支えてくださっていることを感じています。校長として3年目を迎えていますが、まさに感謝、感謝のひとことです。

 特に、学校行事や学校公開に来校していただく方の多さには感激しています。

 今年度も4月に学年始めPTA集会を行いましたが、87%の保護者の方々が全体会に出席してくださいました。

 5月にはものすごくたくさんのご家族の方にご来校いただき、運動会を行いました。お祭りのようににぎやかな特別な日に、ご家族で和やかにお弁当を食べたことは、子どもたちにとって最高の思い出になったことと思います。

 6月の水泳学習では、たくさんの保護者ボランティアの方にお手伝いいただき、大きな事故もなく、各学年14時間の学習を終えることができました。

 7月の学校公開日には、84%の保護者がお越しくださり、日頃の子どもたちの学校生活の様子を参観していただきました。中央小では当たり前の光景なのでしょうが、私は驚きとうれしさをいつも感じています。

 

 PTA校外指導部が中心となった全保護者による朝の街頭指導も、子どもを交通事故から守る大きな力となっています。天候にかかわらず朝のお忙しい時間帯に立っていただき、大変申し訳なく思うのですが、本校は市街地の学校であり、通学路に危険な箇所がたくさんあります。交通安全対策は本校の重要な課題ですので、みなさんのご協力に心から感謝しております。

 また、PTA親子読書部の活動も、学校全体に潤いを与えてくださっています。朝8時に保護者の方が教室へ行き、10分間の読み聞かせを行っていただいています。どの学級の子どもたちも、素敵な本の読み聞かせを、穏やかな表情でよく聞いています。普段はどちらかというと慌ただしい朝の時間帯ですが、読み聞かせの日は落ち着いたスタートが切れており、職員一同とてもありがたく感じています。

  本校は今年度3月に創立150周年を迎えますが、7月の学校公開と8月の個別面談の際に、有志の方が「中央小へのメッセージ」と「未来にはばたく子どもたちへのメッセージ」を短冊に書いてくださいました。私のほうで、廊下に立て札をそっと立てただけの密やかなお願いでしたが、なんと98名の方にご協力をいただきました。あまりにも想定を超える枚数が集まり、保護者の方々の温かい思いとパワーに驚いています。まもなく校舎内に掲示させていただきますので、ご来校の際にご覧ください。ご協力ありがとうございました!

 

 本校の保護者のみなさんの学校教育に対する様々なご協力やご支援は、中央小の子どもたちに愛情としてたっぷりと伝わっています。子育てや教育のもととなるのは、大人の愛情です。教育は「協育」とも言われますが、これからも保護者のみなさんのご協力をいただきながら、全職員で子どもたち一人一人の成長を支えていきます。

 学校は決して敷居の高いところではありません。特に本校はオープンな学校です。これからもお気軽に足を運んでいただくとともに、本校教育にご協力をお願いいたします。

家庭・地域と学校が一つになった素晴らしい運動会でした!

 大勢の保護者・地域の皆様の温かい声援をいただき、好天のもと運動会を行うことができました。

 今年度の運動会は、数年ぶりに全学年の児童がそろい、一日かけて行いました。また、創立150周年記念事業として、他校を招待した学校対抗リレーや風船飛ばしを行いました。

 暑い中でも一生懸命にがんばる子どもたちの姿に感動した一日でした。そして保護者の皆様には、風船飛ばしの準備や親子種目への参加などに気持ちよくご協力いただくなど、家庭・地域・学校が一つになった素晴らしい運動会となりました。

 運動会の終日開催にご理解いただくとともに、子どもたち一人一人に温かい声援を送ってくださった皆様に深く感謝しております。

  

 当日は、ものすごくたくさんの方々にご来校いただきました。学校じゅうが朝からお祭りのような賑わいで、会場全体からの大声援が子どもたちへの大きな力となりました。赤組と白組のし烈な優勝争いで終盤まで盛り上がり、最終結果は白組が2点差で勝利。491名の児童が一日かけて争い2点差とは…。誰も想像していなかったドラマチックな結末でした。

 創立150周年記念事業として行った、小見川地区の小学校による招待リレーは圧巻でした。本校を含め計4校の代表選手は、各校のユニフォームを着てカッコよく入場。スタートの合図とともに会場は大歓声に包まれ、どの選手も自慢の脚力を存分に披露しました。そして、競技後は4校そろっての記念写真の撮影。数年後に大人になったら、「中央小の創立150周年で運動会に招待されて、学校代表でリレーに出場した時の写真だよ。」などと言いながら、自分の子どもや家族に自慢できる一コマになるのではと、勝手に想像を膨らませています。ご協力いただいた東小・西小・北小の選手及び保護者・学校関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

 今年度は一度に多くの方が観戦できるよう、観戦エリアを広くしました。また、校舎内を朝から開放し、教室や特別教室など涼しい場所で昼食をとれるようにしました。場所取りなどの混乱を避けることと、熱中症を防ぐという2つの観点から知恵をしぼって考えた、初めての試みでした。

 家族がお弁当を囲んで食べる風景は、運動会ならではの素敵なひとときでした。何年ぶりに見る光景でしょうか。家族の自然な笑顔や会話が広がり、学校じゅうがとても和やかな雰囲気に包まれました。早朝からの昼食の準備は大変だったと思いますが、子ども一人一人の記憶に残る思い出になったことと思います。保護者の皆様のご協力に、心より感謝しております。

 また、昼食後には、全校児童による風船飛ばしを行いました。創立150周年記念事業実行委員長の金親孝夫様がカウントダウンを行い、500個以上の風船が全校児童の手から一斉に放たれました。大空に無数の風船が舞い上がる風景と、その風船の姿をたくさんの子どもと大人がいつまでも追い続ける光景がとても印象的でした。150周年を記念する感動的なシーンが、子どもたちやご家族・地域のみなさんの思い出の1ページになってくれたら幸いです。

 

 今回の運動会を通して、保護者や地域の皆様の温かい愛情に包まれながら、中央小の子どもたちが健やかに成長していることを感じています。

 全国各地で少子化が進んでいますが、地域と家庭・学校が一緒になって子どもを育てる「中央地区の教育力」が、今後も引き継がれていくことを願っております。

 運動会へのご支援・ご協力、誠にありがとうございました。

150周年記念事業スタート! 新しい遊具を、ありがとうございました。

 運動場に新しい遊具が6基完成しました。この遊具は、学区にある『BEAUTE DE LABO(ボーテ デ ラボ)株式会社』様から中央小にご寄贈いただいたものです。また、工事費については、地域の学区同窓会(賛助会)からの創立150周年記念事業に向けた積立金から支出していただきました。

 今回設置していただいた遊具は、「ロングラダー(長いうんてい)」「クライミング(壁登り)」「6連ブランコ」「すべり台」「ジャングルジム&すべり台」「3色鉄棒」です。カラフルな新しい遊具が、運動場を囲むように並び、学校の風景ががらりと変わりました。

 5月15日(月)に完成し、その日から早速使わせていただいています。このたびの地域の皆様からのご好意に対し、本校職員一同、深く感謝しております。3年以上にわたるコロナ禍で子どもたちは我慢の学校生活が続いてきましたが、ようやくマスクを外して思い切り友達と遊ぶことができます。

 創立150周年記念事業は、新しい遊具の設置でスタートしました。この周年事業で子どもたちに伝えたいメッセージは、“未来へはばたけ、中央の子ども!” 地域の皆様のご支援をいただきながら、1年間かけて、未来を生きる子どもたちの夢や希望を育む記念事業を展開していきます。みなさん、楽しみにしていてください。

全校児童がそろって活動できる喜び

 国や県の方針を受け、今年度末は久しぶりに全校児童がそろって教育活動ができるようになりました。

 

 2月28日(火)には、卒業を控えた6年生に向けて「6年生を送る会(ありがとうセレモニー)」を行いました。体育館に全校児童が集まり、6年生一人一人の個性あふれる紹介、思い出の映像や元担任からのビデオレター、感謝のメッセージや歌声、手作りのプレゼントなど、1~5年生が感謝の気持ちを届けました。また、最高学年のバトンが5年生に引き継がれるなど、新年度に向けて全校児童の心の絆が深まる素晴らしい機会となりました。

 3月9日(木)には、「第149回創立記念式典」を行いました。来賓の方々をお招きし、全校児童がそろって学校の誕生日をお祝いしました。4年ぶりに大勢で校歌や中央小のみんなの歌「あしたに夢を」を歌い、地域の同窓会からは美味しい紅白のおまんじゅうをいただきました。また、式典後にはプロの演奏家による芸術鑑賞会を行い、楽しい打楽器の演奏に児童は大盛り上がりでした。

 3月17日(金)には、卒業証書授与式を行いました。卒業生85名はマスクを外し、一人一人が素敵な笑顔で母校を巣立ちました。来賓・保護者の人数制限もなく、1~5年生も教職員もそろって参加し、卒業生の門出をお祝いしました。全校での校歌斉唱や、卒業生と在校生それぞれからの「お別れの言葉」や「お別れの歌」は、とても圧巻で感動的でした。多くの児童が初めて参加した卒業式でしたが、厳粛で張り詰めた学校行事を経験し、日常の学校生活では味わえない新鮮で清々しい雰囲気を体感しました。

 

 全校が参加する行事の開催は、学校に活気を呼び戻しています。そして、コロナ禍でこれまでストップせざるを得なかった「大勢が一堂に会すること」や「地域の大人が期待や希望を児童に伝えること」が、児童の心の成長に大きな効果をもたらすことを改めて感じ、学校行事の教育的意義を再確認しました。

 ここ数年の行動制限で、児童は様々な体験が不足しています。そのなかで、感染対策が少しずつ緩和され、新年度からの教育活動に明るい兆しが見え始めています。児童の視点で自身の学校経営を見つめ直しながら、今後も様々な体験活動を通じて心の教育を進めていきます。

平和を願う「青い目の人形」

 小見川中央小には「青い目の人形」が2体あります。名前は「ドロシー・ヘレン」と「メーイ・ホース」です。1927年(昭和2年)に小見川幼稚園に贈られ、昨年夏から本校で保管しています。

 「青い目の人形」は、アメリカから日本の幼稚園・小学校に贈られたものですが、太平洋戦争中に敵国の人形として、全国で焼却されました。96年前に友好の証として贈られた当時には、全国で約1万2000体の人形があったそうですが、今は約300体のみが残っているそうです。

 先日は、全校児童に「戦争中に、日本中の青い目の人形が壊されたこと」「貴重な人形が、中央小に2つあること」「戦争のことを勉強して、世界中の平和に向けてみんなで努力すること」などを話しました。2月19日には東総文化会館(旭市)で朗読劇がありましたが、その際も本校の2体の人形が展示されました。

 「青い目の人形」は歌が有名ですが、6年生の社会科の教科書にも掲載されています。悲惨な戦争を物語る歴史の資料として、中央小の子どもが目に触れられるようにするなど、これからも本校の宝物として大切にしていきたいと考えています。

 

 1月に体育館の大規模改修に向けて職員作業を行いました。その際に、昭和4年に撮影された『陸上部の写真』が出てきました。香取郡市の陸上大会で優勝した記念写真で、64名の選手と教職員が勢ぞろいした立派な白黒写真です。男子は全員丸坊主で、女子はお揃いのユニフォームで、校旗や優勝旗と一緒に、どの子どももきりりとしたたくましい姿で写っています。

 でも当時は富国強兵の時代。太平洋戦争が始まったのが昭和16年なので、写真を撮影してから約12年後に開戦。当時の子どもたちは20代半ばで戦争の真っ只中を生きていたことになります。もしかすると、頑強な身体の持ち主として真っ先に戦場に送られ、命を落とされた方もいらっしゃるのではないかと思い、心が痛みました。

 

 終戦から80年近くが経ちます。そして、今でも他国で戦争が起きています。悲しい歴史や惨状に触れるたびに、私たちは「教育の力で、子どもたちが将来にわたり、悲しい戦争に二度と巻き込まれないようにしたい」と考えます。

 本校はまもなく創立150周年を迎えますが、過去の歴史を振り返りながら、様々な教育の機会を通して、子どもたちに「命の尊さ」や「平和の大切さ」も学んでほしいと思います。