日誌

新しい生活様式?(林 俊幹)

 文科省は6月16日付けで「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生マニュアル」を公表しました。
 その冒頭には「私たちは、長期間、この新たな感染症とともに社会で生きていかなければなりません」とあり「3密(密閉、密集、密接)の回避」やマスク着用、手洗いなど、「新しい生活様式」の実践を求めています。

「『新しい生活様式』を実践するためには、児童生徒等への指導のみならず、朝の検温や共用物品の消毒に加え、給食時間や休み時間、登下校時の児童生徒等の行動の見守りなど、地域のボランティア等の協力を得ながら学校全体として取り組む必要があります」

 では、誰が主体になるかといえば、それは学校であり「教員」である。朝の体温チェックから下校時の見守りまで、生徒たちが「新しい生活様式」ができているかどうか、教員が指導監督しなければならないということです。

 では教員が「学校の新しい生活様式」を実践する指導ばかりしていれば良いかと言えば、もちろんそんなわけはない。休校で遅れた分の授業を取り戻すため、夏休みも返上せざるを得ない状況になっているのだから、例年よりも教科指導は忙しくなってきている。その上、「学校の新しい生活様式」に関する実務が増えるわけです。

 実際、本校の教員の姿を見ていると、限界ギリギリで活動しているように思われます。女性職員にとっては、家庭に帰れば家事が待っていて、その苦労は男性の私からは測りしれないものがあります。「学校の新しい生活様式」という名称には前向きな印象を受けがちだが、実は教員の過重労働がますます深刻にする結果を招くかもしれません。
 「すべては教員が行う」という発想自体を変える必要があるだろう。