職員あいさつ

笑顔で過ごせていますか?


 

終末期医療に携わるホスピス医の小澤竹俊先生の著書の中に、いのちの大切さを教える中でいちばん重要なのは「自分が大切な人間である」と思えることと書かれています。「自分が大切な人間である」と思うことを「自己肯定感」といいますが、自己肯定感には、「very good」、自分のことをとてもよいと思えるかどうかと、「good enough」、自分はこれでよいという2つの考え方があるそうです。

思春期は、なかなか自分を好きになれないが、自己を見つめる大事な時期です。「これでよい」という部分とともに、「これでいいのだろうか」という問いかけも常に持ちつつ思索の時期を過ごすのはとても有益なことと小澤先生はおっしゃっています。

 

昨年12月に6年生を対象に開催した思春期講演会では、助産師の先生から、人には生まれながらにして、“いのちの力”(自分で決断する力、チャレンジする力、自分を守る力、感じる力)があり、思春期は“いのちの力”を大きく育てる大切な時期だと教えていただきました。

「生まれてきたこと、今生きていることが100点満点」と、子どもたちに語りかけてくださいました。

 

新しいいのちの誕生を迎える助産師の先生、いのちの終わりと向き合うホスピス医の先生、どちらも「ありのままの自分でよい」と、子どもたちへメッセージを送ってくださっていると思いました。今の自分が好きになれずに笑顔が消えてしまっている子がいたなら、「今のままのあなたでいいんだよ」と励ましてあげたいと思います。

     小澤竹俊(2007)「いのちはなぜ大切か」 筑摩書房