職員あいさつ

私の好きな詩


20年以上前、私はある詩に出合いました。

その詩の名前は、金子みすゞさんが書いた「わたしと小鳥とすずと」です。皆さんも、一度は聞いたり、実際に声に出して読んだりしたことがあるかも知れません。

私がこの詩と出合ったのは小学校3年生のときでした。担任の先生に紹介してもらい知りました。この詩を初めて知ったとき、生き物や物に対して自分が思っている気持ちや、視点とは全く違うことに大変驚きました。その当時、金子みすゞさんの詩に興味をもち、母親にお願いして他の詩が載っている本を買ってもらいました。何度も何度もその本を読み返した記憶があります。今でも大切にその本を持っています。

5年生の国語科で、「みすゞさがしの旅」という学習をします。その学習をしたときにその本を引っ張り出し、読んでみました。久々に読んでみて、金子みすゞという人の小さな生き物や物に対しての優しさ、言葉の表現方法に改めて驚きました。子どもの時とは少し違った視点で読めたような気がします。教員になって、金子みすゞさんの詩にまた、出会うことができて嬉しくなりました。最後に、その詩を紹介します。

 

わたしと小鳥とすずと

 

わたしが両手をひろげても、

お空はちっともとべないが、

とべる小鳥はわたしのように、

地面(じべた)をはやくは走れない。

 

わたしがからだをゆすっても、

きれいな音はでないけど、

あの鳴るすずはわたしのように

たくさんなうたは知らないよ。

 

すずと、小鳥と、それからわたし、

みんなちがって、みんないい。