先日、ある研修会で講演をしてくださった方のお話にとても共感しました。
「子どもの『生きづらさ』をどう支援していくのかは、
その子の『背景』を知ることから始める必要がある。」
子どもたちが自分らしく、楽しく社会を生きていくためにどうすればよいか。
自分を理解してもらうには、周囲とのコミュニケーションが必要です。
コミュニケーションをとる方法は様々あります。
その子にとって取りやすい方法をともに考えて、友達ともつながれるよう、
周囲の友達も一緒に育てることが大切です。
その必要性を感じない、自分は一人でできる、つながるのは面倒だ、
そう感じる大人が実は増えていることで、子どもにも影響が出ているそうです。
実際、全く人と関わらず一人で生きていけることはまずありません。
社会人となって、組織の中で働くには、コミュニケーション力は必須です。
ところが、職種にもよりますが現状に困っている組織は少なくありません。
また、家族という組織の中で、それぞれが全く関わらないことはないはずですが、
それさえも、今はありえないことではないとのこと。
関わりましょう、人間ですから。
一人でできるつもりでいると、そのために周囲が困っていることにも気付けません。
助けられていることにも気付けませんから、感謝の気持ちも持てません。
この背景で育った子どもは、同じように大きくなり、「生きづらさ」を感じる日がくるかもしれません。
勉強ができる・テストができるということと、社会性があることとは違います。
育てたいのは、勉強だけができる子ではありません。
自分一人ではないこと、自分は誰かの支えになっているし、支えてもらってもいるということ。
その表れは、「ありがとう」という言葉だと思っています。
「ありがとう」を言える子に育てるのは、親であり、家族であり、我々教員です。
香取は温かい。
地域の温かさを背景に、自然と「ありがとう」の言える子に育てたい。
この言葉、コミュニケーション、つながりを持つための大切な言葉だと考えています。
つながりは、身を助ける。これも確信しています。
子どもの存在は親の生きがいです。その大事な子どもが生きづらくならないためにも、
まずは、大人から。
学校では、教員が率先して「ありがとう」を言える大人になれるよう、手本を示さねばなりませんね。