校長からのメッセージ

校長のことばコラム3  『じ』と『ぢ』、『ず』と『づ』の使い分け(3)

 『じ』と『ぢ』、『ず』と『づ』の使い分けの話も3回目になってしまいました。
 今回は、ちょっとシモの話が入りますが、御容赦ください。


 今回は『痔』の話です。お尻にできる、あの病気です。

 さて、これは『じ』でしょうか? 『ぢ』でしょうか?


 『ぢ』だと思った人。結構いるのではありませんか?

 実は、これも『じ』が正しい仮名です。


 実は、漢字のほとんどは『形声文字』という読みを表す部分と意味を表す部分を組み合わせたものです。『痔』は『やまいだれ』の部分で『病気』という意味を表していますので『寺』の部分が読みを表すことになります。


 考えてみてください。『寺』は『ぢ』と仮名を振りますか?

 試しに……。

 東大寺(とうだいぢ)
 延暦寺(えんりゃくぢ)

 違和感が半端ないでしょう?

 

 ちなみに、『痔』を『ぢ』だと思い込ませたのは、『ヒサヤ大黒堂』という製薬メーカーの宣伝の成果(?)です。

 最近はさほど見かけなくなりましたが、以前は新聞のテレビ欄の下の方に、必ずといっていいほど『ぢ』という広告が出ていました。出血のイメージと相まって、「『痔』は『ぢ』と仮名を振るんだ!」という誤ったイメージを、全国に植え付けてしまったのです。

 ある意味すごい会社だと思います。

 

 言葉って変遷が激しいので、調べてみると「あれ?」って思うことが結構あります。

 皆さんも気になったことがあったら調べてみてください。面白い発見があるかもしれませんよ。