学校から

[職員研修] 救急法研修会を実施しました。 7月21日(水)

 今日は、教職員を対象とする胸部圧迫及び人工呼吸による心肺蘇生とAEDによる除細動の研修を実施しました。講師は、日本赤十字社千葉県支部救急法指導員の加瀨秀樹先生です。   

 加瀨先生には、福田・神南時代からずっとお世話になっていたので多くの職員が知っています。ただ、昨年はコロナの影響でできなかったため、2年ぶりの研修会となりました。

 加瀨先生の研修はいつも実践的で、現場の状況に即した流れを意識させられます。今日も、「多くの講習会では、意識がない状態での救急法を学ぶけれども、もし意識があったらどうしますか?」「いつもは呼吸がない場合を想定していますが、呼吸があったら次はどうしますか?」など、その都度、受講者の思考を要求される緊張感のある研修です。

 

 胸部圧迫の演習では、実際を想定し3分間胸部圧迫しました。3分といえば、ボクシングの1ラウンドです。かなり長い時間に感じました。加瀨先生は、一人一人の様子を確かめながら、「位置がずれてます」「もう少し深く」など、丁寧にアドバイスをしてくれます。一般的に、女性の場合は押し込む深さが浅くなりがちなこと、6センチぐらい押す必要があることを教わりました。男性の場合は、戻しが中途半端で、押し続けてしまうという状況になりがちとのアドバイスをいただきました。


 

 

 

 

 

 続いてAEDによる除細動の演習です。除細動とは、心室細動、つまり心室のけいれんを電気ショックで除くことにより、心臓のポンプ機能を正常に戻す処置です。そのための器具がAEDであることをまず確認しました。

 AEDの演習では、いつものように器具のガイダンスに従い動きを確認しました。ただ、実際は反対側に胸部圧迫を続けるパートナーがいて、うまく役割分担しながら短時間で対処することを想定してくださいと言われました。実際の場でも一人で行うことは困難であり、まずは近くにいる協力者を確保し、力を合わせて一次救命処置を行うことが大切とのことを念を押されました。

 いただいた資料には、心肺蘇生と除細動のどちらかを実施された場合、両方を実施された場合、どちらも実施されなかった場合の1か月後の生存率と社会復帰率を比較する数値が示されており、その差の大きさに驚かされました。生存率は大切ですが、社会復帰できることこそが最も大切です。研修によって体験することは、一人の人間の命を救うことにつながります。現場に居合わせた時に、勇気をもって救命処置を行えるようになるはずです。

 その他に、実際の場では、AEDが置いてある場所まで取りに行く時間、救急車が到着するまでの時間等もある程度把握しておく必要があること、AEDの近くに、周囲からの目隠しのためのブルーシートや体をふくためのタオル、口元を覆うハンカチやバンダナ等をショルダーバッグ等にセットにして置いておくとよいことをご指導いただきました。

 次回は高学年児童に経験させるべく検討中です。加瀨先生、大変貴重な研修になりました。ありがとうございました。 (文責 海寳)

 

 ちなみに、心肺蘇生練習用の人形の名前は「リトル・アン」というそうです。マイケル・ジャクソンの代表曲の一つ「Smooth Criminal(スムーズ・クリミナル)」の中で、「Annie,Are You OK?」というフレーズが何度も出てきます。20通り以上の言い方で「エニー アーユーオーケイ」と言っているのは、まさに耳元で「アニー 大丈夫かい?」と声をかけ続けている様を歌っているらしいです。余談です。失礼しました。